2025年は大半の企業がIT支出の増加を予定--積極的なコスト削減も計画
その一方で、調査結果には“ねじれ”も生じている。企業は2025年に積極的なコスト削減を計画しており、大多数(92%)の企業が人材、プロセス、テクノロジーに関する何らかのコスト削減を実施する予定だ。1組織当たり平均4つの施策が計画されている。 「全体的なIT支出は前年比で9%の健全な成長が予測されているが、IT部門は2025年にコスト削減策を実施し、課題に対応し、新たな取り組みを可能にし、リスクを軽減する新技術の導入を通じて効率化を図るだろう」とTsai氏は述べている。また、「効率性を追求し、未使用のシートや製品を特定することは、大企業では一般的なことだ」とも付け加えた。 回答者は、最も実施される可能性が高いIT関連のコスト削減策として、不要なインフラの廃止(38%)、現在のベンダーや契約の再評価(37%)、タスクの自動化や効率化を図るソリューションの導入(34%)、冗長な技術の統合(29%)を挙げている。さらに、28%の企業が今後のITプロジェクトを保留する予定だと答えている。 Tsai氏は、ITスタッフとシニアリーダーの見解の違いに驚いたという。「オースティンで開催されたSpiceWorldで2025年のITの現状に関するデータを発表した際、多くのIT専門家が、ITスタッフとITマネジメントの間のギャップを示すデータに共感を示した」 「例えば、ITスタッフの過半数(54%)は、自社のテクノロジーニーズを満たすための予算が十分ではないと感じている。また、ITスタッフは、賃金が生活費に追いついていないことや、上級管理職よりも少ない人数のチームでより多くの業務をこなすよう求められていることについて、2倍以上の懸念を抱いている」 Tsai氏は、このデータから得られる重要な教訓として、リーダーは部下が直面しているプレッシャーを理解する必要があると述べた。「彼らの意見に耳を傾けよう。彼らはどのテクノロジーに投資する価値があるかを理解している」 またレポートでは、ミレニアル世代とZ世代の若いIT専門家の間で、AIの価値に対する懐疑的な見方が強いことを示している。「シニアリーダーはAIの価値を認める傾向が強い一方で、若い世代はためらいを感じ、場合によってはAIに取って代わられることを恐れているのかもしれない」(Tsai氏) IT管理職や専門職の3分の1以上(36%)が、2025年に新しい雇用主を探す意向を示している。ミレニアル世代では42%、X世代では32%、ベビーブーマー世代では15%であるのに対し、1997年以降に生まれた世代では半数以上(53%)が2025年に転職を計画している。 レポートによると、最も重要なITキャリアスキルには、基本的な技術知識、問題解決能力、サイバーセキュリティ、文書および口頭でのコミュニケーション、チームコラボレーションが挙げられている。しかし、サイバーセキュリティは最も重要なITスキルの1つであり、回答者の90%が「重要」または「非常に重要」と答えたにもかかわらず、自分のセキュリティ知識に「非常に自信がある」または「自信がある」と答えたのは63%に過ぎず、大きなスキルギャップが存在することが明らかになった。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。