ブレークが期待されるロッテ・寺地（左）とソフトバンク・広瀬

　プロ野球はＤｅＮＡの２６年ぶり日本一で幕を閉じ、すでに来季へ向けて鍛錬の秋が始まっている。ファンも待ち望む若手選手の台頭。今季、くふうハヤテのアドバイザーを務めた打撃の名伯楽、内田順三氏（デイリースポーツ・ウェブ評論家）にファームで目に留まった選手や来季活躍を期待する若手野手の名前を聞いた。（パ・リーグ編） 【写真】内田順三氏が「面白い存在」と注目するスラッガー 　◇　◇ 　パ・リーグでは今年２位となった日本ハムで、有薗は面白い存在。高校時代から本塁打数を重ねて注目されていたが、３年目の今年はファームで９本塁打。日本ハムの育成は徹底しているからね。４年目、５年目とどうなっていくか。 　今年、清宮が確実に何かをつかんだ。バットの軌道が点ではなく線で入るようになり、コンタクトの仕方がうまくなった。清宮以外にも１軍で活躍している万波、水谷といった若手も多い。ここに有薗も加われば、日本ハムは来年以降も楽しみなチームと思うね。 　ソフトバンクでは笹川。柳田みたいで驚いたが、去年は変化球への対応が弱かった。日本シリーズで使ってもらえるようにまではなったが、まだまだ若いし、来年はさらに期待できるだろうね。もうひとり、慶大から行った広瀬もパンチ力があっていい選手。インサイドのさばき方もうまいし、正確性が加われば長打も増えるだろうね。 　ロッテでは山本。育成から上がった選手だが、今季はファームで１９本塁打。まだまだ経験不足だが、あれだけの長打力は魅力的で、来季は出てきてほしい選手だね。 　そして、ロッテではサブロー２軍監督からも「内田さん是非、見て下さい！」と言われたのが寺地。今年は高卒１年目からファームで打率・２９０を打ち、シーズン終盤に１軍にも上がっていた。キャッチャーとしても落ち着いているし、バタバタしていない。打撃だけで言えば、現時点で松川も抜いている。松川もこれからの選手。お互いにいい競争をしてほしいね。 　オリックスではあえて紅林の名前を挙げたい。すでに１軍で実績があり侍ジャパンにも選出されているが、まだ２２歳。彼の力からすればもっと成績を残せるはず。チームの中心として引っ張る存在になってほしい。 　楽天、西武は素晴らしいルーキーが入ったね。楽天のドラフト１位・宗山（明大）は守備はもちろん、スイングを見ても非常にいい。多くの球団が高く評価しているように、チームの軸として期待できる。西武にドラフト２位で入った渡部（大商大）は、彼が２年生の時に見たことがあるが、逆方向の右中間へ、まるで左打者が引っ張ったような打球で放り込んでいた。この子はプロに入るなと、その時点から感じていた。 　チームによっては新旧交代の時期にきているところもあるが、若い選手は必ずしもポンポンと出てくる訳ではない。高卒選手なら、大学出身のルーキー選手と同じとなる５年目がひとつの勝負時期。チームも指導者も、時間をあげて選手を育てていってほしいね。