衣替えを始める時期 （デザイン：松田愛乃）

　「衣替えをきっかけに洋服を手放したいけどなかなか処分できない」「衣替えは大変なイメージがありやる気がでない」ということはありませんか? 　この記事では、衣替えの正しい時期や手順、あると便利な収納アイテムをご紹介します。衣替えを楽にするためのコツも解説しますので、衣替えが苦手な人もぜひ参考にしてください。

1.衣替えとは

　衣替えとは、季節の変わり目に合わせて衣類を入れ替えることです。一般的には、6月1日と10月1日におこなわれています。近年では、毎日の暮らしを快適にするために、衣類の入れ替えだけでなく、クローゼットに収納している衣服の整理やメンテナンスも同時におこなうようになってきました。 （1）衣替えの由来 　衣替えの歴史は非常に長く、平安時代までさかのぼります。中国の習慣だったものが日本に伝わり、宮中行事として定着したといわれています。当時は「更衣（こうい）」と呼ばれていました。 　室町時代以降、衣類の素材や種類が増え衣替えも変化し、江戸時代には1年に4回衣替えが行われるようになりました。明治時代に入ると、官僚をはじめ洋装の制服を着用する人が増えてきます。その際、制服を6月1日から夏服、10月1日から冬服へと季節に合わせて替える習慣が、現在の衣替えに至っています。 （2）衣替えの目的 　衣替えは、季節にあった衣類を入れ替えるだけではなく、着なくなった衣類を処分したり、洗濯やクリーニングをしたりする目的もあります。また、衣替えをすることで、衣類のメンテナンスやクローゼットなどの収納場所の掃除ができるなどのメリットもあります。 　不要な衣類を整理して快適な生活空間を維持できたり、新しい季節の始まりを意識するきっかけになったりすることから、よい気分転換になるのもメリットの一つかもしれません。

2.衣替えを始める時期・目安

衣替えをするタイミングについて説明します

　最初にもお伝えしたとおり、衣替えは6月1日と10月1日におこなうのが一般的です。ただ、日本は春夏秋冬の季節があり、季節ごとに着る服が違います。ここでは、四季に合わせて年に4回衣替えをすると考えたときのタイミングについて、2つの切り口からご紹介します。 （1）四季で考える 　春・夏・秋・冬の「年4回」衣替えをおこなう場合の一般的な時期は、以下の通りです。 春服：4月1日 夏服：6月1日 秋服：9月1日 冬服：10月1日 　その年の気温や地域によって適切な時期は異なるため、あくまでも目安としてください。 （2）最高気温で考える 　いつ衣替えをすればよいか悩んだときは、「最高気温」を目安に判断するのも一つです。 ■春服 最高気温が15～20℃になったら、春服への衣替えを始めましょう ■夏服 最高気温が22℃を超えはじめたら夏服への衣替え時期です。最高気温が25℃以上になってくると夏の到来。半袖に移行しましょう ■秋服 最高気温20℃、最低気温が18℃以下の日が増えてきたら、秋の衣替えを始めましょう ■冬服 最高気温が15℃を下回ると冬服への衣替え時期です。最高気温が10℃以下になると、ダウンコートや厚手のロングコートの出番です 　面倒なイメージが多い衣替えも、最高気温で考えるとわかりやすいのではないでしょうか。一方で、「最高気温」で考えたときに問題となるのが、夏服から秋服への衣替えです。 　東京都の場合、10月でも最高気温が22℃もあるため「最高気温20℃で秋服に衣替え」とすると、秋服への衣替えのタイミングがなくなってしまいます（参照：気象庁｜過去の気象データ検索 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php）。 　半袖から長袖に移行する人が多い気温は、「最低気温 18～20℃」なのだそう。秋服への衣替えは、最低気温にも注目してタイミングを見極める必要がありそうです。 （3）湿度が低く晴れた日を選ぶ 　時期や最高気温だけではなく、通年を通して湿度の低い晴れた日に衣替えをするのがおすすめです。湿度が高かったり雨の日だったりすると、湿気を衣類と一緒に閉じ込めてしまい、カビの原因になるので注意してください。