【スラムダンクの“聖地”で迷惑行為多発】突然の観光地化によるオーバーツーリズム対応、失敗例と成功例
日本が世界に誇る名山の一つである富士山。国内外問わずその美しい姿を写真に収めようと、富士山周辺では日々観光客が賑わいを見せている。そんな中、山梨県富士河口湖町にある“富士山をのせたコンビニ”では、人が集まることによる迷惑行為など対策として幕を設置。しかし、幕には日に日に穴があけられ……ついに「DON'T TOUCH(触るな)」の表示がなされた。 富士山に限らず、日本には美しい風景や有名な観光スポットが数多く存在する。それらを求め人が殺到することで起こる迷惑行為や環境汚染に対して、どのように対処するべきなのだろうか。2023年12月21日に掲載した『スラムダンクブームに学ぶオーバーツーリズム対応法』を再掲する。 これまでの記事「今話題のオーバーツーリズム その定義と課題、対策とは」で一般的なオーバーツーリズムのパターンと対策の基本、「どうする?日本のオーバーツーリズム」で著名な事例をお伝えした。実はオーバーツーリズムは、既に観光地として確立している地域にとってのみでなく、観光客を呼び寄せたいと思っている地域もそう思っていない地域も含め全ての地域が準備するべきテーマなのである。 従来、観光客が来ていなかった地域が突然オーバーツーリズムに直面することは極めて稀であった。しかし、SNSを中心としたメディアの発達によって観光客を想定してなかった地域にも突然観光客が押し寄せたり、想定以上の観光客が急増したりして、地域住民とトラブルになるケースが出てきた。 これまではいわゆるゴールデンルート系の観光が多かったが、今後インバウンド観光客は地方により分散する可能性があり、このような事例は今後も出てくるだろう。準備ができていないところに突然変化がおこると人は多くの場合上手く対応できない。故に、観光客が急増した状況のイメージを膨らませ、どのような対応をするかの想定案を考えてみてほしい。