【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.9】国産小麦粉と外国産小麦粉でおいしさが違う?
パンを作るならやっぱりフランス産小麦粉
パンを作るならやっぱりフランス産小麦粉「作り手によって、特定の何か焼き菓子を作ろうとしたときに、海外産の小麦粉では難しいだろうから国産の小麦粉を使うとかはあります。ただ、それが海外産でまったく出来ないかというとそうではなく、求めている味とか食感にするには、この焼き菓子なら国産、この食感を出したいから外国産ということだと思う。 逆にフランスパンを作りたいと思ったら、国産の小麦粉よりもやはりフランス産の小麦粉のほうがいい。とくにフランス産の小麦粉はパンには特化していることもあるんです。パンに限らずですが、国産の小麦粉でうまくいかないなと思ったときに、フランス産に替えて使ってみるとイメージしたような味や食感になることもあります」
作りたいものによって使い分け
作りたいものによって使い分け国産、外国産に限らず小麦粉には粒子の違いや、さらさら感、しっとり感などの違いもあれば、粗びきされて少し茶色がかって、焼きあがったときに香ばしさが出るものもあると言います。「それぞれのパティシエが作るお菓子に何を求めているのか。そこで何を選ぶかだと思います」と大澤シェフ。ひと口に小麦粉と言っても、使う種類によって完成品も大きく違うのですね。そして1人のパティシエが作る焼き菓子の1つひとつに、プロの眼による厳選された素材選びがあることが改めてわかります。
教えてくれたのは……
パティシエ:大澤智弥さん専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。
ウフ。編集部 井上司