途中出場のFW岸本空が殊勲弾!駒澤大高が前回V久我山を下し9大会ぶりの全国へ
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選2次トーナメントは6月15日、調布市のAGFフィールドで準決勝2試合が行われ、駒澤大学高等学校と帝京が6月16日の決勝(13時・AGFフィールド)に進むとともに、インターハイ(7月27日~8月3日・福島県)出場を決めた。 【フォトギャラリー】駒澤大学高等学校 vs 國學院久我山 駒澤大学高等学校は9大会ぶり2度目の出場で、帝京は2大会ぶり34度目となる。 駒澤大学高等学校は、2連覇を狙った國學院久我山に1-0で競り勝った。ベスト4の中で唯一1次トーナメントから参陣している駒澤大学高等学校は、2回戦で昨年度の第102回全国高校選手権4強の主力を多数残す堀越、準々決勝では関東高校大会を制した大成といった難敵を連破。実力と勢いを持って準決勝に駆け上がった。 3-4-2-1の陣形を取る駒澤大学高等学校は、多彩な攻撃を仕掛けた。前半21分、MF内田龍伊(3年)の右クロスからFW岩井優太(2年)が強シュート。これはGKの正面を突いて先制機を逃した。39分にはCB小池俊輔(3年)が右から正確なチェンジサイドのパスを送り、MF森田敬太(2年)が中央へクロス。内田が後方へ落とすと、ボランチ矢島礼偉(3年)が強烈なミドルシュートを打ったが、惜しくもDFにブロックされた。この直後には右ウイングバック小熊鉄平(3年)の右クロスから、森田を経由して内田が狙う。 アディショナルタイムには立て続けに決定的なシーンがあった。まず主将のボランチ寺尾帆高(3年)の鋭い中距離砲がDFに弾かれる。これで右CKを得ると、矢島の蹴ったボールを岩井がヘッドで完ぺきに合わせたが、わずかにバーの上だった。 中断中のプリンスリーグ関東2部6位の國學院久我山は、今大会初戦の準々決勝で多摩大目黒を2-1で下してのベスト4進出。4-3-3の配置で、精巧なキックを誇る主将のアンカー近藤侑璃(3年)が、セットプレーから良質なボールを供給すれば、FW藤田隼(2年)が好パスを連発して中央FW前島魁人(3年)がこれに合わせた。 前島はこの形から前半17分と33分に決定打を放ったが、いずれも守備陣に跳ね返された。公式記録上、國學院久我山の前半のシュートはゼロだった。 気温の上昇が続く後半に入ると、両チームとも次々にフレッシュな選手を投入し、戦局の打開を図った。 立ち上がりは國學院久我山が攻勢に出た。3分、近藤が23メートル付近から狙ったFKは、間一髪のところでGKにセーブされた。18分に前島がミドルシュート、19分は交代出場したDF今井亮太朗(2年)の左クロスを前島がヘディングシュートしたが、枠を捕らえ切れなかった。 一方の駒澤大学高等学校は、後半最初のビッグチャンスを得点に結び付け、決勝ゴールをものにした。 37分に左サイドでFKを獲得。矢島がファーポストに送ったボールを岩井がヘッドで逆サイドに折り返すと、後半26分から起用されたFW岸本空(3年)が頭でねじ込んだ。 この後、追加タイムに2度の危機があったが堅陣に助けられた。MF村越彩蓮(3年)の右からのシュートはGKが防御し、近藤の左ロングスローから前島が放ったヘディングシュートは、DFが執念のブロックで弾き飛ばした。 9分のアディショナルタイムが終わると、イレブンは応援席に駆け出し、亀田雄人監督はコーチ陣とハイタッチ。全国大会出場を果たした指揮官は「素直にうれしい」と喜びを語り、9分もあった追加タイムは長かったか聞かれると、「ちょっとバタバタすることもあったが、選手は勝つことに疑いなくやっていた」と述べ、インターハイに向けては「東京代表の責任を持って戦いたい」と真夏の決戦に思いをはせた。 (文=河野正 写真=矢島公彦)