エコリング、神河町に1億円寄付 子育て支援や環境保全に活用へ 桑田社長「原点であり宝物である町」
買い取り販売業のエコリング(兵庫県姫路市飾磨区)が、企業版ふるさと納税として同県神河町に1億円を贈った。今後、町の子育て支援や環境保全に役立てられる。寄付を決めたのは、同社の桑田一成社長(56)と同町の深い縁がきっかけだった。 【写真】ポリ袋の中身は現金1千万円 市役所窓口に持ち込んだ男性、慌てふためく職員に語った思い 同社は2001年創業。他社で買い取りできないノーブランド品や傷のある品などにも幅広く対応するのが強みで、日本国内とアジア7カ国に計300店以上を構える。 桑田社長は神河町南小田出身で、小学6年生まで過ごした。子どもの頃は友人らと近くの山に登って落葉の「布団」に飛び込んだり、川でアユ取りをしたり。「遊び道具は何もなかったが、どんな環境でも工夫して楽しめるように育ててもらった」と振り返る。 昨年、姫路市内の会合で山名宗悟町長と桑田社長の姉が出会ったのをきっかけに、社長からの呼びかけで面会が実現。同町では年々子どもの数が減ってきているが、豊かな自然が残るこの町でしかできない経験を守ろうと、同社が寄付を提案した。 寄付金は町の森林再生や子育て支援策のほか、来年小学校跡地に完成予定の公園・図書コミュニティー施設「桜空(おうぞら)」の整備費に充てられる。二酸化炭素(CO2)削減に関する取り組みでも連携していく。 23日に同町の中央公民館で寄付金の贈呈式があり、桑田社長は「原点であり宝物である町に、社員の頑張りによる売り上げを寄付できてよかった」と話した。(喜田美咲)