元防衛次官が語る 対中国における「平和的な解決」とは何か 『飯田浩司のOK! Cozy up!』
元防衛事務次官の島田和久氏が10月22日(火)、ニッポン放送のニュース番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』に生出演。 昨今の中国の台湾海峡周辺での動きについて語った。
番組では、中国の習近平国家主席が17日に核ミサイルを扱うロケット軍の拠点を視察、戦力向上を指示したというニュースを紹介。コメンテーターのキヤノングローバル戦略研究所主任研究員・峯村健司氏が「趣旨としては14日に台湾周辺で大規模演習をやって、それに対する「お疲れ様」という慰労と激励が大きかったのではないかと。今回の演習のポイントは、非常に実践を意識したものだった。夜中から展開して、電撃作戦を意識しているのと、演習場所もかなり台湾に近い部分でやっている。物流の拠点を封鎖することをイメージしてやっている」と解説した。 島田氏は、「中国の習近平政権は、実際に行うかは別にして、台湾を武力で解放できるだけの実力をつけるという方針であることは間違いないと思う。今回の件はその表れである」と語った。さらに「日本はまさに平和安全法制を含め、『日本自身の防衛力の強化』と『日米同盟の強化』で(対応していく必要がある)。中国は台湾に対し、あからさまな武力行使ではなく、日本の海上保安庁のような船を使って、ある種、台湾を封鎖して音を上げさせるような手段に出てきている」と分析した。 また、島田氏は日中関係の基本原則に関わる部分について「日本政府としては台湾海峡問題について『平和的な解決』を期待している。その『平和的な解決』というは何を指すのかといえば、中国が台湾を『力を使う形で併合』するというのは、我々としては許容できないということを言葉でも行動でも示していくということ。そして日米はもとより、西側諸国など多くの国と協力して、中国に対して誤った行動をとらないようにメッセージを伝えていくことは重要」とし、「『平和的』とは何かというと、力を使って、エネルギーや食糧の供給を妨害して、台湾の人々の『意思』をくじいていく、ということは『平和的ではない』ということを共通認識として持っておくことも大事である」と述べた。