「ほっとした」女子100メートル障害の福部がパリ五輪の参加標準記録突破 陸上日本選手権
ゴールを駆け抜けると、右拳を力強く握りしめた。パリ五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権第3日。女子100メートル障害準決勝1組で、日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)は序盤から力強い加速で他の選手を引き離し、今季自己最高の12秒75をマーク。パリ五輪の参加標準記録(12秒77)を突破した。「ほっとした。やっとスタートラインに立てた」と満面の笑みを浮かべた。 【写真】女子100メートル障害準決勝に出場した福部真子 苦しい時期があったからこその喜びだ。2022年は夏の世界選手権で日本記録を出し、9月に12秒73まで更新。昨季はさらなる上積みを狙ったが、歯車が狂い、記録を伸ばせなかった。世界選手権の参加標準記録を突破しながら、日本選手権で4位に敗れて出場を逃す屈辱も味わい、「昨年が一番しんどかった」と実感がこもった。 ハードルは1つクリアした。優勝すれば五輪代表に決まる30日の決勝へ、「今年は笑顔で終わりたいと思っていた。特大の笑顔でゴールできれれば」。自分を信じて走り抜く。(小川寛太)