【独自解説】公開後に修正・削除された投稿も…違法か?適法か?わかれる『解釈』兵庫・斎藤知事とPR会社代表の“食い違う主張”に見える『問題点』とは
■「主体性」が争点となる中、専門家は「主体性を持ってやったかどうかは問題ではなく、お金を払っているかどうかがポイント」
投稿を削除訂正した理由について、元東京地検特捜部・検事の中村信雄弁護士は、「変更された表現・削除した点を見ると、主体的・裁量性を持っていろいろ提案し、その通りに活動を行ったと強く推認されてしまう。今回の行為の違法性立証の裏付けになる可能性があり、それが嫌で消したのでは」との見解を示しています。
(『読売テレビ』横須賀ゆきの解説委員) 「中村弁護士の見解としては、特に主体的・裁量性という面で『SNS運用フェーズ』が肝となっており、違法性立証の裏付けの一つとみられる可能性があるということです」
Q.斎藤知事の代理人弁護士は「SNS運用の主体性は斎藤知事側にあった」としていますが、『主体性』が今回大きなポイントになるんですか? (赤堀順一郎弁護士) 「行政見解でそういう回答があったので、『主体性』が一人歩きしています。しかし、選挙運動に対してお金を払っているかどうかがポイントなので、主体性を持ってやったかどうかは問題ではないです。主体性を持ってやったから違法だ、そうではなかったら適法だ、という話には全くなりません」
(赤堀弁護士) 「今、71万5000円が支払われたことだけが明らかになっています。主体性を持っていようがなかろうが、それ以外の部分でお金が払われたのかどうかだけが問題です。もちろん『公職選挙法の買収』と『政治資金規正法の寄附』という問題は両方あるので、それとは分けて考えないといけませんが、“業務に対してお金が払われたのかどうか”にだけしっかり焦点を絞っていかないと、かなり問題が拡散していて、よくわからなくなっているんだと思います」
■「何が会社か・何が個人か、切り分けが非常に難しい」グレーゾーンも多い中、“証明”に必要なこととはー
今回、焦点の一つが、「個人か」「会社か」という部分です。政治資金規正法では「企業・労働組合などは政治家個人(公職の候補者)への寄附は一切禁止」としているため、個人ではなく会社として行っていた場合は、寄附に当たる可能性があるとの指摘もあります。
斎藤知事の代理人・奥見弁護士は会見で、「社長は個人的に選挙を手伝ってくれた。演説会場に社員さんがいたことは確認できたが、何をされていたかは、ちょっと確認できていない」と話しました。 ただ、この会見の内容についても様々な見解があります。元検事・中村弁護士は、「演説会場で社長が撮影し、社長の指示で社員が配信を手伝っていれば、会社としての活動とみられる可能性。“ボランティア”は苦しい言い訳にみえる」との見解を示しています。
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