世界の登山靴ブランド図鑑|所変われば登山靴も変わる!
世界の登山靴ブランド図鑑|所変われば登山靴も変わる!
環境が変われば、そこで使われる道具も変わる。登山靴も同様で、国が違えば好まれる登山靴も違ってくるのだ。イタリアでは急峻な岩山に登るため、ドイツでは平坦なハイキングルートを歩くため。世界各国で生まれた登山靴メーカーの特徴を、お国事情とともに紹介しよう。 文◉村石太郎 Text by Taro Muraishi 写真◉荒木優一郎 Photo by Yuichiro Araki イラスト◉竹田匡志 Illustration by Masashi Takeda 出典◉PEAKS 2019年5月号 No。114。
ヨーロッパ「伝統と最新技術から最高峰の登山靴が生まれる」
18 世紀後半に開花した近代登山の発祥地であり、ありとあらゆる登山用品が誕生したのがヨーロッパアルプスを中心とした国々である。当然のように、登山靴の生まれ故郷でもある。なかでも北イタリアと南ドイツの靴作りの歴史は古く、現在まで脈々と受け継がれながら、新しい技術を取り込み発展し続けている。
フランス
登山靴作りがそれほど有名な国ではないけれど、山岳リゾートとして名高いシャモニーへの玄関口となる街、アヌシーでいくつかのシューズブランドが誕生している。ちなみに、山岳レースなどが盛んなフランスでの登山用品作りに欠かせないキーワードは「スピード」である。 <01 ホカ オネオネ> 2009年、アヌシーに発祥し、現在米国に拠点を置くシューズブランド。スキーやMTBなどで感じる興奮をランニングでも、と開発したのがクッション性が高くて、幅広のロッカー形状のミッドソールであった。 問:デッカーズジャパン。 <02 サロモン> 1947年、フランス東部の湖畔に広がる街アヌシーで誕生した同社は、もともとは滑走用のスキーエッジを作るところから始まった。しかしながら現在は高品質な軽量ハイキングシューズなどを作ることで有名だ。 問:サロモン コールセンター
Germany
イタリア北部同様、ドイツ南部では古くから山中で働く人たちのための靴作りが盛んで、いまもその伝統を守りながら登山靴作りを続けている。比較的アップダウンの少ない場所で使うバックパッキングモデルを得意としており、アルパインモデルはイタリアで作ることが多い。 <03 ハンワグ> 実兄がローバーを創業する2年前となる1921年、ハンス・ワーグナーによって立ち上げられている。ドイツの国家試験である整形外科の靴職人であった彼が作った登山靴は、その完璧なフィッティングに定評がある。 問:ワイエスインターナショナル。 <04 ローバー> 1923年、ドイツ南部バイエルン州にて靴職人として働いていたローレンツ・ワーグナーによって創業されたシューズメーカー。ソフトな足入れ感、長距離の歩行でも疲れにくい登山靴は日本でも高い評価を得ている。 問:イワタニ・プリムス。 <05 マインドル> 1683年と、現存するアウトドアブランドのなかで最古の歴史を誇る。ドイツ南部キルハン・ショーリングにて、オエトルス・マインドルによって創業され、伝統を守りながら最新技術を取り入れた靴作りを行なう。 問:ミヤコスポーツ。