リコール署名偽造事件で事務局長逮捕 名古屋・河村市長は「これではっきりする」と自身の関与否定
大村秀章・愛知県知事へのリコール運動をめぐる署名偽造事件で19日、運動団体の田中孝博事務局長らが地方自治法違反(署名偽造)容疑で愛知県警に逮捕されたことを受け、名古屋市の河村たかし市長が同日朝、報道陣の取材に応じた。河村市長は「これでちゃんと全容が明らかになって、河村さんは本当にまったく関与がなかったんだと、はっきりすると思う」と述べ、自身の関与をあらためて否定した。
「何か変なことやってないか」と田中事務局長に電話
市役所登庁前に、個人事務所前で報道陣に姿を見せた河村市長は、今朝の動きについて「予想しとった通り。こうなるだろうと。(逮捕の)メンバーもだいたいの時期も」と淡々と述べた。 河村市長が不正の疑いに気付いたのは今年2月ぐらいだといい、関係者から「署名簿に(同じような)住所がズラーッと並んでいると聞いた」からだとした。 それを受けて「何か変なことやっとったんじゃねえだろうな」と電話したところ、田中事務局長は「やっとるわけないじゃないですか」と強く否定したという。 その上で「(運動当初は)コロナがあるから(活動が制限され、署名が)集まらないのは分かってた。僕もやめとこうと言っていた。それがなんで(大規模な不正をしようと)変わっていったのか。動機をはっきり捜査機関に話してほしい」と語気を強めた。
「気付かなかった責任は感じる」と従来通り主張
自らの責任については、従来通り「気付かなかったことの責任は感じている」とし、「申し訳ない、情けない」と繰り返した。 一方、あくまで運動に対しては「応援させていただいた」立場で、「市役所と市長との間にあるような監督責任はない」と主張。「河村さんに分からんように(不正を)やろうとしていたらしい。早めに気付いたら、そのまま県警に連れて行きましたよ」と述べた。 市長側としても独自に関係者へのヒアリングなど調査を進めており、いずれ発表できるとした上で「正規の名簿がまだどっかにあるんじゃないか。(有効署名が)少なすぎる。そう言っている関係者がいる」などと主張した。 なお、団体の代表だった高須クリニックの高須克弥院長とは、連絡が取れない状態が続いているという。 (関口威人/nameken)