鳥取砂丘を「月面」に変えた高校教員のプロデュース力がすごい!
第6回 テーマ
鳥取県が“宇宙産業”を始めるまでの物語(前編)
「始まりはホラーVR」クラス生徒の国際美術展授賞式を引率したら…
あれは確か鳥取県で高校教員をし始めて2年目。2018年の夏でした。クラス生徒が高校生国際美術展で上位入賞し、東京で授賞式&信州で総合文化祭があるため、なぜか担任の私が長期で引率に行くことになりました。2つのイベントの間に少しインターバルがあり、せっかくだからお台場を観光しようということになりました。 この時に、今でもお台場のダイバーシティ内にある「ティフォニウム」というVR体験施設で、「コリドール」というVRホラーの体験を生徒としたのです。背中に機器を背負ってVRヘッドセットを装着、小道具のリングとランプを持ってVR世界(ホラー)を歩き回るという代物なのですが、これがもう衝撃的な体験でした。 ホラー慣れしていた生徒よりも私のリアクションが大きい始末でしたが(目の前に明らかに怖いものがあるのに自分の足で近くに寄って行かないといけない恐怖たるや!)、「何もない空間にこれだけ没入できるエンターテイメントは他にない」とVR の可能性に私の胸が震えました。
「VR×地方で何かしたい!」“声”は思わぬ誰かのもとへ
それから約1年後の夏、ISAKという軽井沢にあるインターナショナルスクールで「Startup Weekend軽井沢」という3日間の起業体験イベントにファシリテーターに誘われ、学校見学くらいの感覚で参加したことがありました。チーム編成の際に自分のアイデアを1分で披露する機会があったため、私は「VR×地方で何かしたい!」と話をしました。 結果として、そのアイデアのもとにチーム編成に必要な人数が集まらず、私は他のチームに入って3日間活動することになるのですが、最終日の夜にその場に居合わせていた投資家の方に「君の最初のアイデアは非常に良かったですよ。似たようなことを考えている人がいるから今度紹介をしますね」と言われました。 その後、とある宇宙ベンチャー代表の田中克明さんをオンラインでご紹介頂きました。この時点では、まさかこれがこれから先を大きく変える運命的な出会いになるとはまだ思っていませんでした。