「この10億円で僕と結婚してください」一途なイケメンが平凡な女子高生にプロポーズ!ドタバタラブコメ劇【書評】
もし10億円の口座残高を見せられながらプロポーズされたら、あなたはどうするだろうか。『黒崎さんの一途な愛がとまらない』(岡田ピコ/フレックスコミックス)は、極端な性格の黒崎が初めて恋に落ち、10億円でプロポーズするところから始まるラブコメディである。 【漫画】本編を読む
黒崎が好きになったのは、ある弁当店で店番をしていた女子高校生の小春だ。小春は恋愛経験がない、家族思いで優しい女の子である。小説家の黒崎がスランプに陥っていた時に、救ってくれたのが彼女の優しさだった。 小春に惹かれ、プロポーズのために10億円を貯め、ある日突然預金通帳を持って弁当店に向かう黒崎は、なんとも極端な男である。人に興味がなく生きてきたような黒崎にとって、自分に優しくしてくれた小春が天使のように見えたのではないだろうか。 面白いのは、黒崎が極端な性格でありながら素直な点だ。彼は、10億円でプロポーズして断られた後、自分のことを知ってもらおうと卒業証書や免許証などの証明書一式を持って、再度プロポーズに行くのだ。猪突猛進でありながらも、相手からの信頼を得ようと成長する姿が描かれている。 ここまで素直で一途な想いをぶつけられる人は、そういないのではないか。不器用だが、愛らしい男である。その想いがあるからこそ、この物語で起こるさまざまな問題も乗り越えているといって過言ではない。 黒崎がなかなかのイケメンであることも、少女漫画ならではの魅力だろう。美しいイケメンが一途に一人の女の子を想い、一喜一憂する姿を好む読者も多いのではないだろうか 最初は丁寧に断り続けていた小春だったが、黒崎の一途な想いを伝えられるたびに、次第に惹かれ始める。今後の二人がどうなるのか注目したい。イケメンに一途に愛されたい方や、ラブコメが好きな方に特におすすめしたい作品だ。 文=ネゴト / 森ソタカ