「場合によっては安いといえない」 国立大に通うといくらかかる?大学無償化で負担は軽くなる?
授業料等減免や給付型奨学金で負担が軽くなることも
最後に、大学無償化などと呼ばれることもある、「高等教育の修学支援新制度」について見てみましょう。 【高等教育の修学支援新制度とは?】 高等教育の修学支援新制度とは、2020年度に導入された学習意欲のある子どもたちへの進学支援で、住民税非課税家庭とそれに準ずる家庭は、授業料・入学金の免除または減額と返済不要の奨学金が給付される制度です。
【国公立大の授業料等減免と給付型奨学金】 上表のように、4人世帯の年収(目安)では380万円以下程度が制度の対象になります。なかでも住民税非課税家庭であれば、国立大にかかる入学金や授業料が全額免除されるうえに、給付型の奨学金ももらえます。新制度は、家計に余裕がないお子さまでも、大学進学をあきらめずにすむ設計になっているのです。 2024年度からは対象範囲が拡大され、所得制限はあるものの多子世帯(満18歳未満の子どもを3人以上扶養している世帯)の学生も対象になりました。2025年度からは多子世帯の所得制限が撤廃され、さらに大学等の無償化支援が拡充される予定です。 【高等教育の修学支援新制度2つの注意点】 高等教育の修学支援新制度には、注意点が2つあります。 1.制度を利用できるのは高校卒業後2年先まで 2.大学での成績や出席率が悪いと支援が打ちきりになる可能性あり この制度の対象になるのは、高校を卒業してから2年先まで。つまり、3回以上浪人をしてしまうと住民税非課税家庭であっても、この制度から外れてしまいます。また、入学時点で制度の対象になっていても、取得単位数や出席率が悪い場合は、翌年は制度の対象から外れる可能性もあります。 収入基準だけではなく、成績も加味されることをぜひ覚えておいてください。
まとめ & 実践 TIPS
私立大とは違い、国立大が標準額を採用している場合、学費は入学金と4年分の授業料で242万5,200円です。この金額は、私立大に進学した場合の半分程度、あるいは半分以下ですむ計算になります。 ただし、塾代や浪人の際の予備校費用、一人暮らしの生活費など、学校に納める費用以外のお金もかかる可能性があります。4年間の費用がどれくらいかかるのかを知っておき、計画的に学費の準備を進めていきましょう。
プロフィール 海田幹子 2級ファイナンシャル・プランニング技能士。教育・育児、マネー等について執筆。現在、小学生2人の子育てに奮闘中。