食品スーパーのギフトが好調 平月のパーソナル需要が急拡大
食品スーパーの店舗売りギフトが好調だ。RDS-POS(マーチャンダイジング・オン社運営)の全国スーパー実績によると、今年1~9月のギフト販売額は前年比4.2%増と3年連続のプラス基調を維持。平常月のパーソナルギフト需要の拡大に加え、長期低落傾向にあった中元期(6~8月)の売上げも今シーズンは6.7%増と上昇に転じた。来月開始の歳暮商戦に向け、久々に明るいムードが漂う。
中元期は好転、歳暮商戦前に明るいムード
スーパーの店舗売りギフトは中元・歳暮市場の縮小とEC化を背景に長期的に低迷。コロナ禍でこの傾向に拍車がかかり、21年の販売額は18年比で19.1%減と大幅に後退した。 続く22~23年も中元・歳暮シーズン(6~8月、11~12月)の売上げはほぼ横ばいで低調に推移したが、その他の平常月(1~5月、9~10月)の売上げが鋭角的に上昇。この恩恵で23年販売額は18年比1.2%減と、コロナ前に迫る水準になった。 同年の年間販売額に占める平常月の割合は38.3%で、18年(22.6%)に比べ実に15.7ポイントの上昇を示している。コロナ禍を経て、食品スーパーがお礼や手土産といったパーソナルギフトの購入先として急速に定着してきた可能性がある。 同様の流れは今年も続いている。9月までの平常月売上げ(1~5月、9月)は1.8%増で、急増した前年を上回る水準を保っている。また、既出の通り今年は中元期(6~8月)も6.7%増と息を吹き返しており、ギフトカテゴリー全体に安定感が出てきた。 ただし、成熟化が進む中元・歳暮の需要がここへきて上向いてきたとは考えにくい。中元商戦のピークに当たる今年7月のギフト平均売価は1571円で、18年同月(2115円)に比べ544円下落している。中元期にもパーソナルギフトに適した1000~1500円前後の銘菓などが活発に動いているためだ。 このことからも、ウエートの高い中元・歳暮の落ち込みをパーソナルギフトの通年販売でカバーする流れが続くことが予想される。 なお、今年1~9月の主なギフト品目別売上高は、加工食品3.7%増、日配17.9%増、飲料ギフト・他5.8%減、酒類10.4%減、日用品1.0%減となっている。
日本食糧新聞社