“明けましてサヨナラ”宝塚歌劇宙組トップ・芹香斗亜の退団公演が本拠地で開幕
宝塚歌劇宙組公演「宝塚歌劇百十周年記念奉舞『宝塚110年の恋のうた』」(作・演出、大野拓史)、「Razzale Dazzle(ラズル・ダズル)」(作・演出、田淵大輔)が1日、兵庫・宝塚大劇場で初日の幕を開けた。 2007年入団の宙組トップスター・芹香斗亜(せりか・とあ)のサヨナラ公演。トップ就任後、大劇場3作での卒業となる。元日の本拠地・宝塚での退団興行開幕は21年の雪組トップコンビ・望海風斗(のぞみ・ふうと)と真彩希帆(まあや・きほ)の卒業以来、4年ぶりだ。 宝塚歌劇は今年、創立111周年。2本立て1本目の和物レビューの「記念奉舞」は、本来は昨年5~7月に大劇場公演として上演予定だったが、一昨年9月の宙組娘役転落死問題を受けてスケジュールが変更され、「110年の―」の題名のままでの開催となった。 芹香は「来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに―」の百人一首で知られる藤原定家役で、歌劇の110年を知る八千代(桜木みなと)によって、“異世界転生”のように宝塚が扱った様々な時代の歌の世界を体験する。 一方、「Razzale―」は1950年代の米ハリウッドを舞台にしたコメディー。同地で随一の裕福な孤児・レイモンド(芹香)が真実の愛を探すため、映画女優志望の田舎娘・ドロシー(トップ娘役・春乃さくら)を利用して、親友の映画スター・トニー(桜木)と賭けに興じる物語。“サヨナラ感”のない内容だが、レビューでは芹香の後継トップ就任が決まった桜木と笑顔で組み合うなど、次世代に託す光景も見られた。また、8月1日付で星組へ組替えされるスター・瑠風輝(るかぜ・ひかる)が、映画女優役で女性役に挑み、新味を発揮した。 同劇場で2月2日まで。東京宝塚劇場では3月15日~4月27日。
報知新聞社