子どもが生成AIを利用することに肯定的な保護者は6割以上、その理由は
続いて、生成AIを「知っている」と回答した保護者に対して「お子さまの生成AIの利用についてどう思われますか」と質問したところ、14%が「積極的に使ってほしい」、52%が「少し使ってみてほしい」と回答。合わせて66%の保護者が子どもの生成AIの利用に対して肯定的であることがわかりました。 一方で、20%が「あまり使ってほしくない」、4%が「まったく使ってほしくない」と、約2割の保護者は子どもの生成AIの利用に否定的であることも判明しています。
子どもに生成AIを使ってほしくない理由は「自分で考えなくなりそうだから」
保護者の間で肯定的、否定的で意見が分かれた“子どもの生成AIの利用”ですが、その理由についても質問しています。 前項で「積極的に使ってほしい」「少し使ってみてほしい」と回答した理由を尋ねると、「新しい技術の活用力を養うよい機会になりそうだから」(35%)、「子どもが新しい興味に出会えそうだから」(22%)、「自分で考える力が伸びそう」(13%)、「情報の正誤の判断能力が身につきそうだから」(11%)、「書いて表現する力が伸びそうだから」(11%)、「子どもの興味や関心が深まりそうだから」(8%)といった順にランクイン。いずれも、子どもの成長や新たな興味への期待が感じられる回答となっています。
反対に、「あまり使ってほしくない」「まったく使ってほしくない」と回答した理由を尋ねると、最も多かったのは「自分で考えなくなりそうだから」の48%でした。他にも、「自分で書いて表現することをしなくなりそうだから」が23%、「情報の正誤の判断がつかなそうだから」が12%、「子どもにとって不適切な内容に出会ってしまいそうだから」が12%、「新しい技術で不安だから」が5%という結果になっています。 おおむね肯定的な意見の裏返しといった印象を受けますが、新しい技術ゆえの不安を感じている保護者も少なくないようです。
生成AIを使いたい(使ってほしい)のは「好きなことについて調べる時」
ここからはさらに、前項で今後の生成AI利用に肯定的な意見を持つ子ども205人と保護者358人に対象を絞って質問しています。 「どのような時に生成AIを使いたいですか/使ってほしいですか」と質問したところ、両者ともに最も多かった回答は「好きなことについて調べる時」でした。続く「学習での疑問解決」「調べ学習(自由研究など)での情報収集」は子ども、保護者ともに上位の回答となっています。 一方で、子どもはテーマ決めや疑問の解決といった回答が多いのに対し、保護者は「アイデアを探したり考えを広げたりする時」という回答が多く、保護者は生成AIを利用しつつ、子どもたち自身の能力や思考を伸ばしていってほしいと考えていることが伺えます。 最後に、生成AIを使う時にどのくらい大事だと思うか、5つの項目をあげて質問し、「とても大事/まあ大事/あまり大事ではない/まったく大事ではない/わからない」から回答を選択してもらいました。その中から「とても大事だと思う」「まあ大事だと思う」を合わせた「大事だと思う」の割合を見てみると、「個人情報は入力しない」に対して子どもは94.9%、保護者は88.9%が「大事だと思う」と回答していることがわかりました。 同様に、「正しい情報かどうかを確かめる」に対しては子どもの90.5%、保護者の90.2%が、「生成AIへの質問のしかたを工夫する」に対しては子どもの86.7%、保護者の85.4%が、「生成AIが書いた文章をそのまま使わない」に対しては子どもの85.9%、保護者の86.6%が、「保護者と一緒に使うようにする」に対しては子どもの82%、保護者の73.3%が「大事だと思う」と回答していました。 それぞれの項目で子どもと保護者の回答に大きな差はないため、両者は同じような感覚で生成AIと向き合っている印象を受けます。 今後もさらなる進化を遂げ、生活にも深く溶け込んでくると思われる生成AI。子どもの学習面でもうまく活用し、学習効果の向上に役立てていけるよう、親子で一緒に考えていきたいですね。 出典元:【株式会社ベネッセホールディングス】
オトナライフ