"驚異の的中率"お股ニキ氏が全力分析!! 2024プロ野球「大化け」する野手は誰だ!?
■飛ばないボールでも対応できる巨漢と技 続いて外国人選手の大化け候補を見ていこう。 まずお股ニキ氏が挙げたのは、オリックスの2年目、レアンドロ・セデーニョ。もともとは育成契約でオリックスに入団し、昨年5月に支配下契約。昨季は9本塁打に終わったが、2年目の今季は早くも5本塁打を記録するなど、パ・リーグの本塁打ランキングで堂々の1位。打率、打点も上位につけている。 「ストレートを仕留める力が素晴らしいのに加え、194㎝で118㎏とすさまじい巨体です。これくらいの巨漢でないと、今季のボールはなかなか飛ばない、という見方もできます。 実は昨季も瞬間的にはけっこう打っていたバッターで、この調子が続くのか、どこかのタイミングでブレーキがかかるのか、しっかり見定めたいところです」 外国人選手ではもうひとり、ヤクルトの4年目、ドミンゴ・サンタナの名前も挙がった。 「ボールがここまで飛ばないシーズンでなければ、反対方向に本塁打を量産するネフタリ・ソト(ロッテ)の全盛期のような姿もありえた、と思うほどいい状態です。本塁打にならないにしても、丁寧にコンタクトしているので打率が残せます」 実際、サンタナは今季1号が出るまでに70打席を要したが、打率に関しては同僚の村上宗隆と並んでリーグ1位。これまでも安定していた打棒がさらに爆発するのか注目だ。
■順位にも影響する復活組の活躍 最後に、昨季の不調や不遇を覆す〝復活系〟の注目選手を見ていこう。 当然、気になるのはFAでソフトバンクに移籍した山川穂高だ。昨年5月以降、1軍公式戦ではバットを振っていなかったブランクもどこ吹く風。打率は2割台前半ではあるが、4月13日の古巣・西武戦では「プロ野球史上ふたり目の2打席連続満塁弾」を放つなど、打点は独走状態だ。本塁打数でもリーグ2位につけている。 「ブランクに対して不安視もされていましたが、昨秋のフェニックスリーグでの状態を見て、ソフトバンクも『大丈夫』と判断したはず。開幕直後はさすがに力みもありましたが、西武戦でついに爆発。開幕前の時点で『打率3割、40本塁打』と予想していましたが、それだけの能力は間違いなくあります」 ソフトバンクには、ほかにも復活の期待がかかるバッターがいる。巨人から移籍してきたアダム・ウォーカーだ。オープン戦では本塁打王(5本)と華々しく活躍したものの、開幕後はなかなか当たりが出ていない。そんなウォーカーをお股ニキ氏はどう見るか? 「巨人時代から打撃とフィジカルは高く評価していました。DH起用で守備の不安がなくなるのだから、本塁打は相当増えるはず。 気になるのは打順です。変化球にもろい面もあるので、後ろのバッターが甲斐拓也や海野隆司になる7番ではなく、6番・DHにしたほうがストレート勝負も増え、30発以上も期待できるでしょう。 また、足も相当速いので、試合終盤でお決まりのように代走を出すのではなく、打席数を増やしてほしいですね」 もうひとり、ソフトバンクからは32歳の中堅、今宮健太の名前も挙がった。 「今季は調子がいいです。彼のように瞬発力と技術のある選手のほうが、今年のボールには対応できます。問題は体が1年間持つかどうか」 同じタイプとしてヤクルトの5年目、長岡秀樹の名前も挙がった。一昨年はゴールデン・グラブ賞を受賞するなどブレイクしたが、昨季は打率.227。本塁打数も一昨年の9本から3本に減少していた。 「以前から『ポテンシャルを評価される吉川尚輝(巨人)よりもさらに上の打撃』と評価していましたが、昨季は苦しみました。ただ、今季の打ち方は本当にいい。今年のボールでも打率3割、10本塁打くらい打てるバッティングをしています」 そして、復活組のトリを飾るのは巨人から中日に移籍した中田 翔だ。 「打撃自体は、昨季も一昨年もけっこう良かったんです。ただ、巨人軍の過剰な結果主義、併殺打への恐怖から、強振して併殺するよりも、当てにいったライトフライで安堵の表情を浮かべることが増え、スイングを崩していきました。その精神的呪縛が中日移籍で解かれれば、いい方向に働くかもしれません」 確かに、下半身の張りで開幕早々に数試合欠場したにもかかわらず、リーグ5位、チーム最多の10打点を記録。元パ・リーグ打点王の打棒をしっかり発揮している。得点力不足に悩む中日にとって、これほどうれしい補強はない。 「何かと批判されがちな立浪和義監督ですが、昨季ブレイクした細川成也に続き、中田も自らの鶴の一声で獲得して復活。さらに、今季は高橋周平も30歳にしてようやく充実の状態。彼ら復活組でクリーンナップをつくった手腕は評価すべきです」 その高橋が負傷離脱するまでは中日が首位をキープ。まさに、復活系野手の活躍次第で順位が変わることが証明されたともいえる。 まだ開幕して1ヵ月余り。野手の本領が発揮されるのはこれからだ! 文/オグマナオト 写真/時事通信社 産経ビジュアル