【弥彦競輪・GⅠ寬仁親王牌】山田庸平と荒井崇博が準決進出、3日目10Rで連係
<18日・弥彦競輪・2日目> <九州王国 再興へ> 2日目の朝、海の向こうから九州勢に、ビッグニュースが飛び込んできた。デンマークで開催されている自転車競技のトラック世界選手権のケイリンで山崎賢人がV。日本勢で同種目を優勝したのは1987年の本田晴美以来37年ぶり。短距離種目での世界選Vはスプリントの中野浩一(77~86年)、俵信之(87年)を含めて4人目の快挙だ。2予Bの7Rを勝利して準決に進んだ山田庸平は、「今朝、うわさで聞きました」と表情を崩し、「金メダルと聞いて、すごくうれしいです。ケンティー、おめでとう!」と喜んだ。 その山田は、嘉永泰斗マーク。嘉永が前々に攻め、カマしてきた島川将貴に鐘3半で飛び付き番手奪取。終2角では、すかさず番手捲りを放った。山田は好マークし、「余裕はありました。泰斗が頑張ってくれていたので残したかったが、後ろに福永君がいたし、守澤さんもくると思った」と、福永大智―三谷将太の近畿勢や、単騎の守澤太志を警戒しながら直線へ。「泰斗もきつそうだったし、残せなかった」と前へ踏んで1着。「泰斗は最近、積極的ないいレースをしている。きょうも泰斗のおかげ」と後輩に感謝を忘れなかった。 続けて「最近は以前の練習量をこなしていない。腰痛などが出るし、試しに少し減らしてやっている」と本調子ではない。この大会は、2020年のGⅠ初決勝を含めて2年連続でファイナルに進んだ験のいいレース。「だけど、昨年は初日で落車失格した。縁起の良さで何とかなるというのは捨ててきた」とほほ笑んだが、最悪の状態は脱している。「2日目は余裕があった。いいときよりは良くはないが、ある程度は戻ってきた」。昨年のオールスターから遠ざかっているビッグ決勝へ、「乗れたらうれしい。頑張ります」と気合を入れ直していた。
荒井崇博は2予Aの10Rで4着。辛くも準決切符を手にした。終1角で新山響平の捲りを大きくけん制。「歓声をどよめきに変えたかったので」と派手な動きを見せた。「ラインで決まらなかったのは残念だが、準決に行けたのはうれしい。脚自体は悪くない」。こちらは山崎の偉業に、「そりゃあ、良かったんじゃない。でも人のことを考える余裕はない」と3日目のレースに集中して向かう。 山田―荒井は準決10Rで連係。2月、岐阜での全日本選抜以来となる、九州勢のGⅠ決勝を目指す。