航空会社のご令嬢!?「マイヅルソウ」|植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #39
さてワタシはどこでしょう
マイヅルソウの写真を探していたら出てきた、へたっぴなこのカット。しかしあえてこれをみなさんに見ていただきたいのは、この一枚がマイヅルソウのお好みスポットとオトモダチをハッキリと示しているからです。コケに包まれた森のなかで、ゴゼンタチバナやミツバオウレンが生い茂る、しっとり暗めの森のなか。そして、亜高山帯の山中にしては、わりに厚みが感じられる土……。これこそ(ほぼほぼ☆)マイヅルソウが見つかる条件なんですっ!! なお、これまで出会えたのは尾瀬、火打山、戸隠、蝶か岳山麓、飛騨山地などなど、やっぱり高いところばっかり!
いつ見るんですか?いまでしょ!!
さてさて、今回10月にマイヅルソウをご紹介するのも、じつはワケアリなんですよ。あ、本連載お約束の、ヨコシマな感情を込めた“ワケアリ”じゃなくてですね……。そう、冒頭でもお話したように、いまは紅葉シーズン。その林床で、あっかい実が最盛期なんです。ゴゼンタチバナなども赤い実をつけてますが、マイヅルソウの赤は鮮紅色! この実の存在感はなかなかのもの。探しやすいのは、いつって……いまなんです!! 。
ナゾ多き白化現象
そして、近年「超個人的ミステリー」に加わったのが、この現象です。秋、黃葉したのちに色素が抜ける葉は種類が限られているんですが、マイヅルソウも同様とはまったく知らず。昨年初めて、まっちろけ葉っぱを見かけたのです。ちなみにこれを見かけたのは、御嶽山の日和田登山口付近。かなりマニアックではありますが、同じように白くなったマイヅルソウをご存知の方! もしいらしたら、情報くださいませ。秋の終わりまであと少し……現場まで、猛ダッシュで駆けつけたいと思います!! 。 さてさて、今回ご紹介してきた、マイヅルソウ。いかがでしたでしょうか? ハイカーにとって出会う機会は少なくない……はずですが、どうでしょう。出会った&写真を撮った記憶はありませんか~? ? ちなみに、マイヅルソウの写真撮影には、ちょっとコツが。偏光(PL)フィルターを使わないと、葉がテカってハレーションを起こすんです。これぞ、マイヅルソウの人気がビミョーな理由かも……。もし見かけたら、無理やりでもカメラレンズにサングラスを。その独特の葉脈を、確かめてみてくださいね! それでは、また。 みなさまのココロに、すてきな花が咲き誇りますように。 写真◎成清陽
ランドネ編集部