航空会社のご令嬢!?「マイヅルソウ」|植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #39
航空会社のご令嬢!?「マイヅルソウ」|植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #39
登山&撮影をライフワークとする花ライターがお送りする、高山植物の偏愛記。静かに、しかしアツ~く、お花をご紹介します! つい先日、「そうだ、京都行こう。」くらいの軽いノリで足を運んだ御嶽山。山頂部の紅葉はどう見ても終了気味、期待薄。そう思っていたら、葉の散ったあとのナナカマドの実が美しいことこの上なし。バシャバシャ撮っていたら、電池切れ……。見やれば、まだまだフォトジェニックな光景が……。「なんでムダに山小屋ランチの写真撮っとんじゃい! 」と、自分にツッコんだ私なのでした。今回は、そんな荒れたココロを癒やしてくれそうな、フェアリーをご紹介(こじつけ! )。清楚な“ご意見番”に登場いただきます!
航空会社とのご関係は
Data マイヅルソウ(ユリ科) 一般的な花期:7~8月 おもな生育場所:亜高山帯の湿った林内など。 華やかさんが多かった、今年の連載前半戦。ただ、美人も続けば見飽きるというのが、諸行無常(!? )でございましょう。って、超失礼な書き出しですが、清楚ではありつつ“知名度の不明度”がマックスなのが、このお花・マイヅルソウではないかと。しかしこのお花、じつは名前の由来が少々いわくつき。「葉脈の独特な曲線、ツルが羽ばたいてるみたいじゃん! 」と思った命名者が、舞鶴草なんてビッグネームをつけちゃったんだとか。うーーーーーん。これってなんか、JALさんの旧ロゴ(鶴マーク)に対抗してません?
なして「ご意見番」?
舞鶴草の命名者は、航空会社と蜜月の関係にあったのか、はたまた昼ドラの如しドロドロの関係にあったのか……。とまあ、安いスポーツ新聞記事みたいな話題は置いときましょ。このマイヅルソウが本当におもしろいのは、意外なくらい自己主張がハッキリした、ご意見番であること。全国のヤマを知っているわけじゃないので断言しにくいですが……マイヅルソウがいるのは、(ほぼほぼ)コケと一緒で、(ほぼほぼっ)安定した高湿度の場所。さらに、(ほぼほぼ! )標高1、000mクラスより上にしか棲んでません! 研究者じゃないから断言できずに、ほぼほぼ、ほぼほぼ言い続けるのがツライ(笑)。