矛盾点は置いておき、まずは「最後までお客さまの話をしっかり聞くこと」【ビジネスマナー常識チェック】
【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#85 電話応対編(10) ◇ ◇ ◇ 【電話応対(1)】社会人に求められる「電話応対」は3回鳴るまでに出ることと、「メモと復唱確認」が必須 今回は「クレーム電話応対 解決への5ステップ」を詳しく見ていきましょう。 【1】基本の流れ クレームの電話を受けると、緊張して適切な言葉が見つからず、最初から最後まで「申し訳ございません、申し訳ございません」ととにかく謝り続けたり、反対に、話の矛盾点を冷静に指摘し続けて、お客さまの感情を逆なでしたりと、応対の仕方が原因で話がこじれてしまうことがよくあります。 それを防ぐためには、相手の話を引き出し、解決に導くための流れを知り、そのプロセスに沿って話を進めることが重要です。その流れが、次の5つのステップです。 ①話を聞く ②お詫び ③事実確認 ④解決策の提示 ⑤アフターフォロー それぞれ詳しくみていきましょう。 ①話を聞く いきなり謝るのではなく、まずは相手の話をしっかりと聞きます。聞いているときは「はい」「さようでございますか」「それは~ということですね」など、相手の話に合った適切なあいづちを打ちます。これは、あなたの話をちゃんと聞いていますよというアピールになるとともに、相手に気持ちよく話してもらうための流れをつくる効果があります。 お客さまによっては、話したいだけ話しているうちに気分も晴れ、その後、冷静に応対できることも多いものです。 ここで大切なことは、とにかく「最後までお客さまの話を聞く」ということ。話の中にお客さまの勘違いや矛盾点があったとしても、それをその都度指摘するのではなく、この段階では聞くに徹します。 もちろん、ただぼーっと聞いているのでなく、「具体的に何が起きたのか」「お客さまは何を望んでいるのか」を正確に把握するため、メモを取りながらしっかりと聞き取ります。 ②お詫び ①でお客さまの話をしっかり聞き、共感できる点には共感を示します。そしてお詫びをするわけですが、大切なことは「何に対してのお詫びなのか、理由を明確にする」ということです。 ▽クレームの詳細がわからない段階 「ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」 「お手数をおかけし、大変申し訳ございません」 ▽クレームの詳細がわかり、こちらに非がある場合 「さようでございますか。それは大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ございません」 「はい。おっしゃるとおりでございます。心よりお詫び申し上げます」 「ごもっともでございます。大変申し訳ございません」 (金森たかこ/マナー講師)