物価上昇の今「貯蓄2000万」ではもはや老後を乗り切れない…金融のプロ提案<長寿時代の投資術>
◆投資の勉強より「どういう人生を送りたいか」を考える 家族から「知識もないのに今さら投資なんて」と言われたという50代の人がいました。 よく聞く話なのですが、こんな時、私はこう言います。 「金融の知識は必要ありません。勉強はしないでください」 。 それよりも、 「どういう人生を送りたいか」を考えることが大事です。 そのうえで、投資は私たちプロにまかせてください。 50代と言えば、およそ30年は社会人として経験を積んでいます。 多くの人は、日本や社会、もっと言えば未来に対して何らかの思いを抱いているはずなのです。 では、自分はそこで何ができるか、何をしたいのかを考える。 そうして社会とつながり、社会を考える方法論の一つとして投資があるのです。 リタイアしたとしても、何らかのかたちで、できるだけ長く社会とつながっていたいですよね。 それはボランティアなど様々な方法がありますが、私たちの考える「投資」もまた社会育成であり、社会とつながることだと思っています。 社会経験もあり、自分の人生もある程度見えてきて、不条理もわかったうえで「社会がこうなったらいい」と考えて投資をする。 20代の若者よりも、こうした思いを込めた投資ができるのが50代なのです。
人生100年時代、時間を味方につける投資を 私が考える投資の基本は長期投資。 投資したら最低10年、それ以降も「ゆったり待つ」くらいの気持ちでいていただきたいので、時間が何よりの味方です。 若い時期に投資信託を始めるということは最大のアドバンテージですが、人生100年時代です。 50代からでもまったく遅くはありません。 ただし、今から「投資の勉強」はしなくてかまいません。 はっきり言えば、投資の世界で個人が利益を上げようとするなら相当量の勉強量が必要です。 であれば仕事や自己研鑽など別のことに時間をかけたり、家族との時間を増やしたりするほうが断然いい。 投資の勉強は私たちプロに任せ、皆さんは大切な時間を別のことに使っていただきたいと思うのです。 ※本稿は『50歳から成功する長期投資 65歳でプラス3000万円』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
澤上龍
【関連記事】
- あらためてなぜ投資は「長期」が重要なのか?業界歴30年のプロ「長い時間が<アチャー>を<結果オーライ>に変えてくれる」
- お金に関する自分の得意分野を見極めよう~『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』【東えりかが読む】
- 業界歴30年のプロ「企業を応援」と「投資」の紐づけに強い違和感。「社会にいい企業への投資がいいこと」といったマーケティングワードに惑わされるな
- 投資で最初に理解しておくべきはズバリ「やめ時」である。業界歴30年のプロ「増えること、増やすこと自体が目的になっていませんか?」
- 「資産運用を始めただけですごいことが起こる」との期待は誤り。業界歴30年のプロ「最も大事なのは投資するしないとか、何の投資信託を買うかでなく…」