ビジネスにもオタ活にも精通したインフルエンサーに|あくにゃんのB面
会社員×インフルエンサーだからできたこと
―インフルエンサー活動を始めてからの最大の挑戦は何でしたか? 最近公開したミュージックビデオ「ランダムは人生だけで十分」の制作ですね。チャンネル史上一番予算をかけた作品で、僕が広告代理店で会社員として培ってきたプロデューサーやクリエイターの経験が生かされた、社会人経験の集大成とも言える大切な作品です。 ―その中で学んだことや得たものが沢山あったかと思いますが、特にどんなことを感じましたか? 制作にあたっては、ディレクターを別で立てていたのですが、僕が総合プロデューサーとしてほとんどの部分に関わっていました。スケジュールや予算の管理、給与の支払い、撮影場所となるカフェへの交渉など、いろいろなことを自分でこなしていました。 その中で、もし会社員としての経験がなかったら、ここまで細かく気を回すことはできなかっただろうと感じました。例えば、MVのお披露目の日が決まったら、その日までのスケジュールを逆算して行動したり、撮影日の1週間前にリマインドをして、スタッフが撮影日を忘れないように先回りをしたり。 YouTubeは、トレンドの動画をすぐ翌日に出すようなスピード感が求められるので、あらかじめスケジュールを引いて進めることがほとんどないんですよね。社会人経験がなかったらここまで自分でできなかったと思うし、そういったスキルが身についたことで、すごく自信を持てるようになりました。 ―社会人経験を通じて、うまくいくように先を見据えて逆算した行動ができるようになったのですね。それはインフルエンサー活動にも活かされていますか? 失敗せずうまくいくように、という意味では、「炎上しないこと」を意識するようになりました。昔は、好き嫌いをすごくはっきり表現していたんですが、YouTubeを5年ほど続けるうちに、次第に「マス化」してきたんです。丸くなってしまったことが悲しく感じる部分もありますが、視野が広がり、より大きな視点で発信できる「マスな人間」になれたことは誇りにも感じます。