ビジネスにもオタ活にも精通したインフルエンサーに|あくにゃんのB面
ビジネスの視点も併せ持つ、唯一無二の地位を目指して
―企業とのコラボレーションを選ぶ際の基準は何ですか? 社会人7年目になって、売上に貢献したいという気持ちが年々強くなってきました。なので、売上に貢献できそうかどうかが大きな基準になっています。さらに、「もう1回依頼がきたら成功、来なければ失敗」という自分なりの基準があるので、引き受けた方にはもう一度、依頼が来るように取り組んでいます。 売上に貢献したい気持ちは、他のYouTuberよりも強い自覚があるんですよね。それはきっと、僕が広告代理店で働いてきたことが関係していると思います。純粋に、売上に貢献できないと申し訳ないし、再生回数が少ないのも嫌です。なので、伸びなさそうな商材のときははっきりと事前に伝えています。 僕は企業寄りで動くタイプのインフルエンサーかもしれません。 ―今後コラボしてみたいブランドや企業はありますか? やっぱりサンリオとは一緒に仕事をしたいですね。 ―それはやっぱり「貢献したい」という気持ちも関係しているのでしょうか? そうですね、貢献したい気持ちが強いです。そもそもYouTubeを始めた理由が「推しを布教する」なので、自分の推しを人に勧めることには前向きにチャレンジしていきたいと思っています。 ―過去のコラボレーションで成功したと感じているものを教えてください。 レンタルの防振双眼鏡とのコラボは、売上にも貢献できましたし、別の企業からも依頼をいただいたので、成功したコラボレーションだと思います。特別なことをしたわけではなく、商品の良さが伝わるポイントをしっかり並べたり、実際に自分が使うライブの日に合わせて動画の公開時期を調整したり、会場で使った感想を話したりと、基本的なことをしただけですが、僕との相性がすごく良かったのだと思います。 ―コラボレーション以外にも、今後取り組んでみたいと考えていることはありますか? “男性アイドルについて詳しい人”というポジションを確立したいと考えていますが、その先で“ファンビジネスやオタクビジネスについて詳しい人”というポジションも確立したいと思っています。 そのために、いろいろな界隈のファンがどうハマっていくのか、ファンビジネスやオタクビジネスの実態を知るための企画を進めています。初回は芸能プロダクションのLAPONE、2回目はサンリオ、3回目はスーパー戦隊の話を聞きました。今後はディズニーのダンサーオタクや宝塚など、さらに広げていく予定です。そして最終的には、どこの界隈もある程度分かるようなレベルを目指して、ポジションを確立していきたいですね。 あくにゃんさんは、男性アイドルやファンの動向に詳しく、誰よりもオタクでありながら、ファンからも強く支持される存在でもある。さらに、会社員として培ってきたビジネスの知見も持ち合わせており、オタ活を起点とした知見の深さと視野の広さは、他に類を見ない強みである。“なん足”ものわらじを履く、あくにゃんさんの活躍に今後も期待したい。
文:安藤 ショウカ/ 写真:小笠原 大介