群れから隔離されたオスライオン、スター目指して東京から沖縄に移住へ
東京生まれのオスライオン、南国・沖縄に移住 ── 多摩動物公園(東京都日野市)のライオン「アルーシャ」(6歳・オス)が11日、沖縄こどもの国(沖縄県沖縄市)に移動します。沖縄県内の動物園で、オスライオンの展示が復活するのは3年ぶり。年上のオスと折り合いが悪く、群れから隔離されていたアルーシャが、動物園のスターをめざします。
「たてがみのあるオスライオンが観たい」
沖縄こどもの国は、ゾウやキリンなどがいる動物園エリアをはじめ、子ども向けの体験型展示をそろえたワンダーミュージアムや乗り物コーナーなどを備えた観光施設です。こどもの国のライオンは、3年前の2014年1月にオスの「ナッツ」(当時3歳)が亡くなって以降、メスの「りんご」(17歳)1頭のみ。 獣舎には「りんご」がいるのに、「ライオンはいないのか」とがっかりする来園者もいるそうで、動物園課課長の大宜見こずえさんは、「一般の方々はやはり、たてがみのあるオスライオンが観たいのでしょう」とこぼします。
隔離されていたアルーシャ
2016年の夏ごろ、こどもの国は、以前から交流があり、ライオンを群れで管理、繁殖にも取り組んでいる多摩動物公園に、オスのライオンを譲ってもらえないかと相談を持ちかけました。 要請された多摩動物公園は、群れから隔離されていたアルーシャの譲渡を決めました。アルーシャは2010年10月23日、東京の多摩地域にある多摩動物公園で、父「リバース」と母「ケイコ」のあいだに生まれました。 アルーシャは成長するにつれて、群れを支配する7歳年上のオスライオン「カイ」、「レボ」、「ロック」の3兄弟から攻撃されはじめ、3~4歳のころに身の安全を図るために群れから隔離されていました。以来、昼間は、群れが過ごす約1ヘクタールのライオン園ではなく、広さ約1アール以下のライオン舎で過ごす日々が続いていました。野生でも成長した若いオスライオンは群れから追い出されますので、特に珍しくない措置だそうですが、沖縄に行かせた方が飼育環境面で良いと判断したのです。