英メディアはベルギーを優勝候補評価。クリンスマン氏も「戦術を変え協調」
ワールドカップ・ロシア大会の準々決勝のブラジル対ベルギーは、ベルギーが2-1でブラジルを振り切った。決勝トーナメントの1回戦で日本を0-2の劣勢から逆転したスター軍団は、日本戦の後半途中から起用されゴールしたMFマルアン・フェライニとMFナセル・シャドリをスタメンで使い、4バックでブラジルの攻撃に対応するなど大きく戦術を変えて臨み1986年以来となる4強入りを手にした。 英国メディアは、この試合を大きく報道、BBCでは「ベルギーは今ワールドカップの優勝最右翼か?」との見出しでベルギーが優勝候補の最有力であるとの見方を示した。 同紙は、「ベルギーはブラジル戦での2-1勝利で優勝するチームに必要なものすべての少しを見せることができた」と評価。「驚くべき内容で前半に2-0でリードを奪い、ブラジルを叩きのめす脅威となり、レナト・アウゲストのゴールで1点差にされた終盤も力強さを見せて最後の15分を抑え切った。16強の戦いで日本を0-2の劣勢から逆転勝ちして、わずか4日後の勝利だった」と紹介した。 同紙は、「ベルギーの選手が揃っていることはわかっていたが、メンタリティーが疑問だった。しかし、これらの疑念にも答えが出たように見られる」と絶賛。元イングランド代表のリオ・ファーディナンド氏の以下のコメントを引用した。 「この結果は大きい。彼らには数人のリーダーがいるように見える。このチームは大会前にメンタリティーと気質について疑問を向けられていた。2年前の欧州選手権では、残念な結果に終わっていた(準々決勝でウェールズに1対3で完敗)。この黄金世代は向けられていた批判に完璧な形で応えてみせた。彼らは今勝つべきチームだ」 日本代表の次期監督候補としても注目を集めている元ドイツ代表監督であるユルゲン・クリンスマン氏も、BBCのコメンテーターとして「ベルギーのプレーは素晴らしかった。彼らは持ちこたえて戦った。彼らが驚くべきチームスピリットを持っているのが分かるだろう。(優勝まで)彼らは、あと少しだ。マルチネス監督は素晴らしい仕事をしている」と、ベルギーが優勝候補であることを主張した。 また元スコットランド代表のパット・ネヴィン氏も、「ベルギーは勝利のためのチャンスをすべて得ることができた。エデン・アザールは見事だった。いつも正しいパスを出すデ・ブライネも、60分までブラジルが抑えることが不可能だったロメル・ルカクも見事だった」と、アザール、デ・プライネ、ルカクのプレミアで活躍している3人のスター選手に高い評価を与えた。 またBBCは、エバートンの監督を解雇されてから、2年も経たずにベルギーを立て直したスペイン人のマルチネス監督の手腕を称賛。マルチネス監督が就任後、最初の試合となるスペイン戦で敗れて以来、24試合無敗であることを紹介し、元イングランド代表主将のアラン・シアラー氏は「ベルギーへの大きな疑問は『個の集まりなのか。チームとしてまとまることができるのか』ということだった。しかし、マルチネス監督は彼らをひとつにまとめ上げた。これは監督がやらなければならない仕事で、2年前のチームとの大きな違いだ」とコメントした。 前出のクリンスマン氏も、「マルチネス監督は、ベルギー代表を彼らが信じる形でまとめ上げた。計画どおりに着実に進めている。戦術を変え、選手にも考えをもたらし、全員がそれを共有して理解している。よく協調し合っている。この準々決勝はワールドカップにおいて最も重要な地点だった」とし、そのマルチネス監督の手腕を高く評価した。