ボールを拾い、選手に声をかけ。J3福島で奮闘する関塚隆テクニカルダイレクターが期す昇格やクラブ発展への想い【インタビュー3】
「気付いた人がやるべき」
関塚氏はテクニカルダイレクターとして毎日、練習に顔を出し、「人がいないからこそ、気付いた人がやるべき」と、トレーニング後にはボールの片付けなどをする姿も印象的だ。 人やリソースが限られているからこそ、クラブに携わる誰もが手を取り合い、知恵を出し合い、一歩ずつ進んでいく。そして、成長のためには周りの手も借りながら、福島に活力を与えられるクラブ作りを目指していく。 「試合に向けて、クラブみんなで準備して、それを試合でサポーターの方や子どもたちやスポンサーの方々にお見せする。そこだと思うんですよね。そのためには日々の積み重ねが大事で、ずっとつながっていく。そのためにみんなで成長曲線に乗っていければ良いですよね。 寺田監督も選手たちにしっかり周りの人たちの大切さを伝えてくれているし、練習も非公開にすることも時にはありますが、基本的にはオープンで、サポーターの方が来てくれるのなら、毎回しっかり触れ合っていこうと進めています。 寺田監督もここに覚悟を持ってきてくれているし、改めて僕はできる限りサポートをしていきたい。それに選手もね、新卒にしても、契約満了でここに来てくれた選手にしても、一生懸命やってくれているし、このピッチでトレーニングしたから成長できたって言ってもらえれば、それほど嬉しいことはないですよね」 川崎からレンタル中の19歳のMF大関友翔、経験豊富な26歳のMF針谷岳晃、多くの怪我を重ねてきたFW矢島輝一、大卒2年目のFW城定幹大、大ベテランのMF宮崎智彦といった多種多様なバックボーンを持つ選手たちが上手くブレンドしているのも福島の特長とも言えるのだろう。 そのなかで目指すのはやはり、悲願の昇格である。 「混戦が続いていますが、方向性は寺田監督がしっかり示してくれ、みんながそこに向かっているのは頼もしく思います。 目標としては当初の予定通り、プレーオフ圏内から昇格狙っていきたい。そこをターゲットにしながら、可能であれば2位までの自動昇格も視野に入れながら。ただ自動昇格ばかりに目がいっても仕方がない。 寺田監督が毎週毎週言ってるように、我々はやっぱり成長しながら、昇格を目指す。だから毎日のトレーニングを大事にしていこうっていうのは決してブラさずに、進んでいきたいですね」 チーム、クラブの雰囲気はすこぶる良い。ただ、福島の高みへの歩みはまだ始まったばかり。関塚氏はこうも強調する。 「まず段階をしっかり踏んで、この3年から5年で今後崩れないようなしっかりした土台を築く。クラブの中身を充実させていきたい」 目には消えない炎が宿る。 その一歩として8月31日(土)の北九州戦では、ホームで5000人の集客を目指し、様々なPR活動も実施している。当日はどのような雰囲気になるのか、そしてピッチ上ではどんな奮闘を示してくれるのか、気になる人は、足を運んでみてはいかがだろうか。 今年4月にはクラブはスポーツX株式会社らの参入など、経営面でも新たな動きを見せている。 成長を続ける福島の挑戦には改めて注目だ。 ■プロフィール 関塚 隆 せきづか・たかし/1960年10月26日、千葉県生まれ。現役時代は本田技研でFWとしてプレーし、引退後は鹿島でのコーチなどを経て、2004年からは川崎を率い、魅力的なサッカーを展開。その後はロンドン五輪代表、千葉、磐田でも監督を務め、昨年7月から福島のテクニカルダイレクターに就任。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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