期待の若手の成績は? ウインターリーグの結果を紹介
一方で期待からすると成績が伸びていない印象を受けるのが高橋周(中日)だ。2本塁打と長打力は発揮しているが、打率は.255で三振の数も9。これはリーグ全体の打率が約2割9分という「打高投低リーグ」であることを考慮すると物足りない成績だ。守備面でもリーグワースト2位の5失策を記録してしまった。またヤクルトの原泉は打率が参加選手の中で最も低い.235に終わり、持ち味であるパワーも長打が0本と発揮することができなかった。外野手の層に不安が残るヤクルトにとって大きな期待がかかる選手だけに今回の結果は残念だった。 投手では阪神の岩貞が圧倒的な成績を残した(表2)。5試合17イニングを投げて自責点はわずかに1、三振はイニング数を大きく上回る27個を奪っている。とくに18日のプレーオフ第1戦では先発して7回無失点、12奪三振、チームの決勝進出を決める好投でウインターリーグでの登板を締めくくっている。投手では中日の浜田智、DeNAの柿田も内容の濃い登板を続けた。浜田智は15イニングで17三振を奪い与四球は3と安定、柿田も14イニングで防御率1.29と危なげなかった。 結果がでなかったのは平良(巨人)、田面(阪神)、岡本(ソフトバンク)といった面々。平良と田面は3日の欧州選抜戦でともに大炎上、先発した平良が5回6失点、2番手の田面は1回で4失点し欧州選抜にこの大会唯一となる白星を献上してしまった。2人は以後の登板でもピリッとせず来シーズンへのアピールとはならない結果。岡本も7日の台湾プロ選抜戦で6失点すると以降の2登板でも失点し、防御率は5.06と厳しい結果となった。
■ドミニカ 阪神の新外国人選手が好成績、筒香が異例の参加
台湾の次に多くのNPB関係者が参加したのがドミニカ共和国のウインターリーグ。日本人選手では中日の浜田達とDeNAの筒香が参加した(表3、4)が、筒香の参加は異例中の異例だ。すでにNPBでも十分実績を残した筒香クラスの選手がチームとの契約期間外となる12月、1月にプレーをすることは大変珍しい。ケガのリスクもあるためチームとしてもプレーを望まないことが多いが、今回は本人の強い意向もあっての参加となった。 その筒香はレオネス・デル・エスコヒードというカリビアンシリーズでも優勝経験のある名門に入団、2日の試合からいきなり4番で出場すると、2試合目、3試合目はいずれも2安打を放つ活躍で以降の試合もクリーンナップに定着した。持ち味の長打は現時点で三塁打1本だけだが、かならずしも出場機会の保証されていない真剣勝負の舞台でいきなり中軸に座ることができたという点ではより深い自信につながったのではないだろうか。 ドミニカでは来日予定の新外国人選手も多くプレーしているが、その中で抜群の成績を残しているのが阪神に入団することが濃厚となっているマテオと、ドリスだ。ともに現在首位のエストレージャス・オリエンタレスでプレーし、ドリスがセットアッパー、マテオはクローザーを務めている。マテオは16登板で自責点が0、16イニング1/3で与四球は1、奪三振16、セーブは11を記録していて首位を走るチームに欠かせない存在となっている。セットアッパーのドリスも17イニングで自責点は1、こちらもイニングと同じ17奪三振と支配的なピッチングを見せている。この2投手を両獲りとなれば現時点での期待値は非常に高いといえそうだ。 また中日の新外国人投手2人も、ノルベルトは先発として50イニング以上を投げて防御率2.68、ハイメは10イニングで7与四球とコントロールの不安を覗かせながらも奪三振も11と多く防御率は2.70とまずまずの結果を出している。一方広島に入団の決まったヘーゲンズは先発、中継ぎで6試合に登板したが先発した2試合では3回3失点と2回4失点、中継ぎの試合でも4試合中3試合で失点するなど結果を残せなかった。