日本一の車整備士がフットサルMVPへ──。浦安・江口未珂、リーグ2位で初受賞した悔恨と、王座奪還への誓い「悔いばかり。来季こそは全勝優勝を」
2024-2025シーズンの女子FリーグMVPは、バルドラール浦安ラス・ボニータスの江口未珂選手が受賞しました。フィクソながらシーズンを通して121本のシュートを放ち、13ゴールを挙げて得点ランキングでも3位に。どんな位置からでもゴールを狙えるキック力と正確な技術が武器であり、トゥーキックのロングシュートを放つ彼女は、仲間から「つま先の魔術師」という“通り名”をつけられるほど。攻守にハイスペックなリーグ屈指のオールラウンダー、江口選手のMVP受賞インタビューをお届けします。 【画像】女子Fリーグ年間ベスト5 インタビュー・文=伊藤千梅(SAL) 編集=本田好伸(SAL) ※インタビューは2024年12月23日に実施しました
「つま先の魔術師」は気に入っている
──シーズンMVPおめでとうございます!率直な気持ちはいかがですか? MVPに選ばれたことを当日に知ってびっくりしました。最終節のアップに行く直前、浦安の塩谷竜生代表とすれ違った時に「MVPおめでとう」と言われて。うれしい気持ちと、その時は優勝がなくなっていたので、なんとも言えない気持ちになりました(苦笑)。 ──MVPに選ばれることは予想していなかった? 今シーズンは週間ベスト5にも入っていなかったですし、まったく予想していませんでした。MVPは優勝したSWHレディース西宮から選ばれると思っていました。 ──今シーズンはフィクソながらシュート数が121本で、これはリーグ1位の数字でした。昨シーズンの72本から増えていますが、「打つ」ことを意識していたのですか? そうですね。これまでフィクソもアラもピヴォもやってきましたが、日頃からどのポジションで出場してもシュートの意識を強くもつようにしています。 また、今シーズンはリーグが始まる前に「今年こそは得点王を目指そう」と思って取り組んでいたので、自然とゴールを狙うシーンが増えたのかもしれません。 ──第8節のフウガドールすみだレディース戦と第15節の西宮戦では、15mほどの距離からトゥーキックで決めていました。その距離からのトゥーキックがすごいな、と。 トゥーキックだとGKとのタイミングをズラすことができるので、前にスペースがあったら、少し距離があってもゴールを狙っています。 フィーリングもありますが、実は全部狙い通りのコースに蹴れているんです。もともと、この形が得意だと思っていたわけではないのですが、昨シーズンの最終節もトゥーキックで15mほどの距離から決めているので、 少しずつ得意な形になっているのかもしれません。 ──あの距離から打つ時は、どんなことを考えていますか? GKもあの距離からは打たないと思うでしょうし、ディフェンスが前にいるとブラインドになって見えにくいと思うので、シュートコースが見えたら打つようにしています。 ──チームメイトからは「つま先の魔術師」と呼ばれています。 リーさん(筏井りさ)が名付けてくれて、去年の途中くらいから言われ始めました。今年はけっこうみんなから言われるようになりましたね。気に入っています(笑)。