日本一の車整備士がフットサルMVPへ──。浦安・江口未珂、リーグ2位で初受賞した悔恨と、王座奪還への誓い「悔いばかり。来季こそは全勝優勝を」
“コーティング”でも日本一に
──江口選手は仕事でも“日本一”になったことがあると聞きましたが、どんなお仕事をしているのですか? 株式会社ENEOSウイングという会社に所属していて、普段はガソリンスタンドで車の整備を行っています。スタンド内ではいろいろな仕事がありますが、自分がメインでやっているのは、コーティングと手洗い洗車です。 社内でコーティングのコンテストがあって、うちの会社は全国に店舗を抱えているので県予選や関東予選を勝ち上がって全国大会に行くのですが、2020年に優勝しました。 ──全国優勝はすごいですね。次の目標もあるのでしょうか? 社内の大会は優勝したので出場できないのですが、今は社外のコーティングの全日本選手権のような大会にも挑戦しています。今年は千葉県で優勝して全国大会に出場しましたが、決勝トーナメントには進めませんでした。いずれ、その大会でも優勝したいです。 ──いつからそのお仕事に? 大学生の時にガソリンスタンドでアルバイトをしていて、そこでコーティングの仕事を知りました。コーティングの作業や工程、お客さんが、キレイになった車を見て喜んでくれることがうれしくて、その時に資格を取りました。 神戸に移籍するタイミングで別の会社に就職したのですが、当時のチームは週2回のトレーニングだったので、練習がない日に仕事が終わってからまたガソリンスタンドでアルバイトしようと思って始めたのが、今の会社です。 そしたら、すごくコーティングができる人が来たと話題になってしまって(笑)。フットサル日本代表にも選ばれたことから「こんな人がバイトで入ってきた」と社長まで話が届いて、「アスリート社員にしよう」と言ってくださったので、この会社に就職することになりました。今は、海外遠征に行く時でも出勤扱いにしてもらうなど支えてもらっています。 ──お仕事をする上で大切にしていることは? マニュアル通りにやってもキレイにならないことがあるので、そこは気を遣って、お値段以上のサービスができるようにとは思っています。お客様が喜んでいる顔を見たり「こんなにキレイになるんだ」と思ってもらえたりするとうれしいですね。 ──仕事とフットサルとの共通点はありますか? それは考えたことがありませんでした(笑)。でも、今のお店はけっこう忙しくて、次から次へと洗車しないといけません。12月はコーティングの繁忙期なので、1日10台くらいになることもあります。自分がメインでさばいているのですが、いろいろな人と連携を取らないと時間内に車を返せなくなるので、そういった面でチームワークは大事ですね。 なので、店舗内でコミュニケーションはすごく取ります。指示をしたり、聞いたりしながら作業を進めるところは、フットサルの感覚に近い。お客様の満足のために、連携しながら仕上げていくのは、フットサルでゴールを目指す作業と似ているかもしれません。 ──仕事は楽しいですか? 楽しいです。真夏は暑く、真冬は寒いので大変ですが、キレイにすることが好きなので、汚れている車がキレイになった時はうれしいですし、全然嫌じゃないですね。