日本一の車整備士がフットサルMVPへ──。浦安・江口未珂、リーグ2位で初受賞した悔恨と、王座奪還への誓い「悔いばかり。来季こそは全勝優勝を」
悔いが残った西宮戦の判断
──5連覇達成とはなりませんでした。振り返ってどんなシーズンでしたか? 序盤で敗戦したこともあり、苦しいシーズンになりました。選手やスタッフの間で、練習時間を使ってまで、これまではしてこなかったような話し合いを重ねながら「どうしたら勝てるのか」を模索してきました。 最後に優勝して「あんなこともあったね」と笑って終わりたいと思っていましたが、負けてはいけない相手や、引き分けてはいけない相手に、勝ち切ることができませんでした。 ──第15節で西宮との対決に4-5で敗れたことで優勝の可能性がなくなりました。 あの試合は、“決勝戦”だと思って戦いました。西宮は背後を使うのがうまいので、その強みを消すために、リーグ戦で最初に対戦した試合では、引いた状態からカウンターを狙いにいきました。ただ、2回目の対戦となった上位リーグでは、圧倒してやるという気持ちで「前から行くぞ」と、プレスをかけにいく戦い方に変更しました。 でも、どう戦うかは本当に最後までヨネさん(米川正夫監督)も迷っていたと思います。 ──米川監督は、試合後の記者会見で「戦い方は試合の日の朝に決めた」と。 そうですね。練習でも前からプレッシャーをかけるメニューに時間を使っていましたし、4-3でリードしている状況まではいい流れがつくれていたと思います。 ただ、自分たちが冷静になれませんでした。リードしていたそのタイミングで、ヨネさんから「まだいけるか?」と聞かれて、みんなが「いけます!」と答えたのですが、第1ピリオドから激しくプレスにいっていたので、第2ピリオドでは疲れもあったと思います。 あの場面でプレスラインを下げることも、一つの選択肢としてもっておくべきでした。誰か1人でも冷静な判断ができていたら、それを自分ができていたら、その後の展開は違ったかもしれません。 試合中、ヨネさんが選手に問いかけることは滅多にありません。選手たちを信じてこちらに聞いてくれたと思いますし、それに応えたかったですね。 ──シーズン最後に全日本選手権がありますが、チームに必要なことは? 上位リーグ最終節のアルコ神戸戦では、選手権に向けて今シーズン初めてセットを変えたり、クワトロをベースでやったりとチャレンジをしました。いろいろな選手が出ることによって、チームとしてのバリエーションが増えて、いい刺激が生まれていると思います。また新たな気持ちで、仲間をもっと信じて、誰が出ても勝てるチームづくりをしたいです。