Z世代、デジタル製品「アーリーアダプター」で存在感 CTAトレンド予測
世界最大規模のテクノロジー見本市「CES」を主催する全米民生技術協会(CTA)は5日(現地時間)、開幕に先駆けて今年の技術トレンドを発表した。デジタルに慣れ親しんだ「Z世代」が人口構成とともに労働力としても存在感を増す中、デジタル製品の購買行動の変化に拍車がかかるとの方向性を示した。 【関連写真】米国では、テック製品の購入でアーリーアダプターの6割がZ世代 「『DIVE IN』の準備はできてる?」「オッケーだ」。 マーケティング&コミュニケーション担当副社長のメリッサ・ハリソン氏とシニアディレクターのブライアン・コミスキー氏とのやり取りで始まったCES恒例の技術トレンド予測。「準備万端」や「没頭する」などの意味で使われる「DIVE IN」は、CESの今年のテーマだ。世界から4500社・団体以上の出展者が一堂に会し、革新的な技術や製品などの競演がCESでは行われる。 そんな今年のCESでも注目を集める技術トレンドとして、CTAは、「Z世代を軸とした人口構成と購買行動の変化」「デジタルとの共存」「人間の安全保障」「コミュニティ」「ロンジェビティ(長寿)」を挙げる。 中でも、人口統計の上でもデジタル世代の台頭は顕著になっており、OECD(経済協力開発機構)における労働力でも全体の27%を占めるまでに拡大。Z世代は、デジタル製品の購買でアーリーアダプターとして存在感を高めており、米国では全体の6割を占めている。加えて、サステナビリティ―(持続可能性)に配慮した製品への関心も高く、他の世代と比べて2.5倍購入傾向が高いという。 CTAは、スマートフォンやノートパソコン(PC)などのデジタル製品やサービスは今年、米国の小売りの売上高で5370億ドルと前年比3.2%拡大すると予測している。今後、AI(人工知能)の活用により、パーソナライズ化された購買行動がさらに増えるとの見方だ。 こうした変化は一面に過ぎず、インフラやエネルギー管理、モビリティー、スマートホームなどの各分野でAIが加速度的に浸透していくとCTAは分析。それにより、製品やシステムのアップデートのサイクルや、それらを取り巻く環境の変化が加速すると指摘。米国では成人の93%が生成AIに慣れ親しんでおり、仕事でもAIツールを使っている人は6割を超えていることから、AIが生活のあらゆるシーンに溶け込んでくるのは自然な流れと言えそうだ。
電波新聞社 報道本部