【新装開店!ホンダ コレクションホール探訪③】「世界のHONDA」になった飛翔の時代:1970~80年代(2階北フロア)
1970年前後~1885年前後:挑戦が花開いた時代は、空冷から
ホンダの聖地のひとつ、ホンダコレクションホールが3月1日にリニューアルオープンした。その見どころを、6回に分けてお伝えする。パート3は2階の北フロアの展示内容についてレポートする。 【写真はこちら】シビックは4輪メーカーとしてホンダを広く世界に知らしめることとなる(全16枚) 1970年代初頭までホンダは空冷エンジンにこだわっていた。イントロはそれを代表するホンダ1300とF1のRA302で始まる。直4の1.3LとV8の3Lである。空冷とは言うもののオイルを循環させた油冷だった。 その空冷は厳しさを増す排ガス対策には不利なため、71年登場の軽自動車ライフでようやく水冷にスイッチする。FFのライフはホンダのMM(マンマキシマム・メカミニマム)思想の先駆者で、エンジンスペースを極限まで詰め広い室内スペースを確保。4ドアモデルも用意していた。 FFの方式もN360のイシゴニス方式(エンジン下にトランスミッション)からダンテ・ジアコーサ方式(エンジン横にトランスミッション)に転換。 このライフを小型車版にしたのが72年のシビックだった。シビックはVWゴルフに先んじてFF2ボックスというジャンルを切り拓いたモデル。このシビックは4輪メーカーとしてホンダを広く世界に知らしめることとなる。
「不可能」と言われた壁を世界で初めて克服
決定付けたのがシビックに搭載されたCVCCエンジンである。73年、世界のメーカーが「不可能」としていたアメリカの排ガス規制マスキー法をクリアしたのだ。これによってホンダの技術は世界が注目するところとなる。ここではアコードと共にエンジン単体が展示されている。 バイクも不利とされていた4ストでのトライアル挑戦や、86年のNSR750によるパリダカール4連覇、GL1000によるビッグバイクへの参入、RCB1000による欧州耐久レースへの出走など活躍の場を大きく広げた時代でもあった。 その後は4スト長円形ピストン採用のNR500、2ストV3のNS500、V4のVF750、V2のVT250など画期的なエンジンを次々と登場させた。その一方でロードパルなど優しいバイクも忘れていなかった。