本田圭佑と武藤嘉紀がSNSで白熱の宿題論争…「宿題は嫌ならやらなくていいのか」…支持を受けたのは?
これまでにも本田へ畏敬の念を抱いてきた武藤が、SNSを介して懸念を伝えたのもまさにこの点となる。実際、本田のツイートには賛成よりも反対の返信が、はるかに多く寄せられている。 「確かにタイミング悪いなあ。基本的に本田選手に賛成だけどね。コロナで学校行けない日本の現場を見えていない感が否めない。ゲームの流れで今、スルーパスで勝負する時じゃないって感じ。」 「やらなくてもいいのは本田さんみたいに自分で必要性を考えて何に時間をかけるか決めることができる人。多くの人は本田さんの言葉を鵜呑みにして何も考えずやらないだけになるでしょう。だから義務教育があるんだと思います。」 同時に武藤のツイートには賛同だけでなく、新型コロナウイルス禍で繰り広げられた、先輩との忌憚のない議論をポジティブにとらえる返信が多く寄せられている。 「正しい訂正のツイートでもありますし、本田選手のツイート自体の補足にもなっていると思います。」 「今から思えば宿題が必要だったとは思わないが、組織の中でルールを守る、決められたことをみんなで実行する、というような訓練・鍛錬・修練だったと考えたら、良かったかなと。」 そして、武藤へのリプライとは別に、本田は『NowVoice』で語ったこととほぼ同じニュアンスのツイートを、午後8時すぎまでの約30分の間に立て続けに投稿。最後となる3つ目には意外にも感じられる、自身の立ち居振る舞いを反省する殊勝な言葉が綴られていた。 「『宿題を我慢してやっとけば大人になったときに役に立つから』って言う大人ほど無難な仕事はないし、無責任なことはない。やるべきは好きなことを見つけるキッカケを提供し続けること。小学生の教育ではとにかく、上記実現に集中するべき。精神力を鍛えるのは次のステージ。」 「『誰もが本田さんみたいに好きなことを見つけられるわけないんですよ!』そこなんです!あなたが夢や好きなことがないのはあなたのせいじゃない!社会のせいであり周囲の大人のせいなんです。それなのに『大人になったら平均になればいい!」』的な全員一緒の宿題を嫌でもやれ!てのは違う。」 「ツイッターやり始めて3年経つけど、初めて反対される意見に感情的になったかも。全然あかんね。修業します。でも理由は教育が好きなのと、日本が好きなんかなって。」 ブラジルでもイギリスでも、新型コロナウイルスの影響下で日常からサッカーが奪われてひさしい。クラブも活動休止となり、選手たちも自宅待機の日々を余儀なくされている。特異な状況下でSNSなどを介して自分と向き合う時間がより増えたからこそ生まれ、交わされる熱い議論だった。 (文責・藤江直人/スポーツライター)