受験の家庭内ストレス調査 お互いストレス軽減するためには
大学受験を控え、受験生のいる家庭では空気が張り詰めていることだろう。受験生は家族にイライラして、親はあれこれ気を遣う。そんな受験生の家庭の、じつに45パーセントがストレスを感じているという。だがその多くは、ちょっとしたことで解消できる。 学習塾検索サイト「塾選」は、2024年に大学受験をした人とその保護者を対象に、受験期のストレスやサポートに関する調査を実施した(有効回答数175)。それによると、受験を控えた期間、家族旅行ができない、家族全体がピリピリしている、大きな音を立てないように咳も我慢する、兄弟姉妹はテレビやゲームや友だちを家に呼ぶのを控えるなどでストレスを感じた家族の割合は45パーセントにのぼった。一方、受験生自身は家族に対して36パーセントがストレスを感じていた。おもに騒音だが、過干渉もストレスだったとの意見もある。 受験生のサポートを行った保護者は75パーセント。おもに、夜食を用意するなど食事面でのサポート、志望校の資料を集めたりオープンキャンパスに同行したりといった情報面でのサポート、塾や模試の送迎サポートなどだ。受験生の62パーセントは保護者のサポートを感じていて、夜食、体調管理、情報収集には感謝している。 受験後にもっとサポートすればよかったと後悔している保護者は18パーセント。もっとサポートしてほしかった受験生は12パーセント。受験生からは、塾に行きたかった、奨学金について調べてほしかったという意見がある一方で、金銭的な理由で塾に通わせてやれなかったことを後悔する保護者が多かったとのこと。もっと情報収集をしておけばよかったとの意見も多く、そうしていれば、塾に代わる学習方法や公的補助制度を選べたかもしれない。
受験生が求めているのは
ストレスの軽減に関して、受験生たちは、家族の音が気にならない早朝に勉強する、イヤホンを使った、学校や塾の自習室や図書館などの静かな場所を利用したという「騒音対策」により家族との無用な摩擦を避ける自主的な工夫が見られた。しかし何より重要なのは、家族に自分の要望を伝え、家族に協力を依頼してストレスを軽減させたという受験生の体験談だ。 受験では情報収集が重要であることが、この調査からよくわかる。だが、それも親子でよく話し合ったうえで行わなければ、一方的な情報の押し付けになってしまう。過干渉や気遣いの欠如、気持ちの行き違いから生じるストレスをなくすには、受験生はどうしてほしいのか、親は何ができるのかを話し合い、家族が納得できる協力体制を作ることだ。じつに当たり前の、ちょっとしたことだが、コミュニケーションがいかに大切かがわかる。今からでも、きちんと話し合ってみてはどうだろう。
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