【歯科医師監修】歯のクリーニングを定期的に受けないと口腔内はどうなるの?
歯のクリーニングのために歯科医院に通うのは、「少し面倒」と思う人も多いのではないでしょうか。しかし、セルフケアで取り残した汚れ(細菌)をそのまま放置することは、むし歯や歯周病のみならず、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があるようです。今回は、歯科医院のクリーニングの重要性や具体的な処置の内容などを、「こばやし歯科」の小林先生に解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
毎日歯を磨いていても歯科医院でクリーニングが必要なのはなぜ? プロフェッショナルケアの重要性
編集部: 1日に2~3回、毎日歯を磨いていても、やはり歯科医院での定期的なクリーニングは必要なのでしょうか? 小林先生: はい、必要です。むし歯・歯周病の予防の基本はセルフケア(歯磨き)ですが、「しっかり磨いている」ことと「きちんと磨けている」ことは必ずしもイコールではありません。実際のところ、歯磨きで落とせているのは汚れ全体の6割程度だと思っておいた方がいいでしょう。 編集部: 6割程度というと、自分が思っている以上にお口の中には汚れが残っているものなのですね。 小林先生: 一口に「歯を磨く」といっても、磨き方には人それぞれにクセのようなものがあります。磨けていない場所もだいたいいつも同じで、何もしないとそういう場所には永遠に汚れがたまり続けていきます。例えるなら、雪道を走っていると車が通った場所は綺麗なのに、車が通らない脇道にはずっと雪が残っているような感じです。 編集部: 自分では磨けず、たまった汚れを定期的なクリーニングで落としてもらうわけですね。 小林先生: そのとおりです。さらに、お口の汚れの中には「着色汚れ」や「歯石」など、歯ブラシや歯間ブラシで落とせない汚れも存在しています。歯科医院のクリーニングには、このようなセルフケアでは落としきれない・落とせない汚れをフォローしながら、お口の環境を整える役割があります。 編集部: セルフケアでは落とせない汚れをそのまま放置すると、どのようなリスクがあるのでしょうか? 小林先生: 1つは、むし歯や歯周病、口臭のリスクを高めてしまう点です。これに加えて近年は、歯周病の原因菌が体の血管に入り込むと血栓を作ることがわかっており、これが後に心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることも指摘されています。定期的な歯科医院のクリーニングでお口の菌を減らすことは、今やお口の健康だけにとどまらず、体の健康を保つうえでも非常に重要となってきています。