【歯科医師監修】歯のクリーニングを定期的に受けないと口腔内はどうなるの?
歯科医院のクリーニングではどんなことをしてもらえる? 「保険」と「自費」で目的が異なる理由とは?
編集部: 実際に、歯科医院では、どのようなクリーニングをおこなうのでしょうか? 小林先生: 歯科医院のクリーニングは、保険診療でおこなうものと自費診療でおこなうものの大きく2パターンあります。それぞれで施術の内容や目的が異なります。 編集部: 保険と自費、それぞれの内容や目的の違いを教えてください。 小林先生: まず、保険診療は基本的に「病気を治すこと」を主な目的としています。したがって、クリーニングについても歯周病を治すことを目的に、歯周病になっている部分の歯石取りを数回に分けて除去するのが一般的です。これに対して、自費診療のクリーニングは「病気の予防」を目的に、着色・歯石を含め、お口全体の汚れを除去していきます。 編集部: そうすると、保険と自費では通院回数も違ってくるのでしょうか? 小林先生: 一般的にはそうだと思います。保険診療の場合は「数回に分けておこなう」というルールがあるため、一度の施術で全てを終わらせることができません。そのため、歯周病の状況に応じて数回の通院が必要になります。その一方で、自費診療の場合は基本的に1回の施術でお口全体の汚れを除去していきます。
まだまだ知りたい歯科医院のクリーニングに関するQ&A 歯は白くできる? 頻度はどのくらい?
編集部: 歯科医院でおこなうクリーニングは痛くないのでしょうか? 小林先生: 基本的に痛みはありませんが、歯ぐきに炎症を起こしている場合は多少の痛みが出るかもしれません。その場合は麻酔を使って痛みを和らげるか、もしくは一気にやらずに段階を経てクリーニングをおこなうこともあります。 編集部: 歯科医院のクリーニングで歯は白くなりますか? 小林先生: 歯の表面についた着色汚れは落とせますが、もともとの歯の色を今以上に白くすることはできません。クリーニング後、さらに歯を白くしたい場合は「ホワイトニング」という別の施術が必要になります。 編集部: クリーニングはどのぐらいの頻度で通えばいいですか? 小林先生: 歯周病治療を目的とした保険診療のクリーニングは、1~2週間に1回の通院で少しずつ歯石を落としていきます。自費診療のクリーニングは1回の施術でお口全体の汚れを除去しますので、2~3カ月に1回が通院の目安となります。 編集部: クリーニングに定期的に通っていれば、歯磨きをサボってもむし歯や歯周病は防げますか? 小林先生: 残念ながら、歯科医院のクリーニングのみでむし歯・歯周病を予防することはできません。最初にお話ししたとおり、歯科医院のプロフェッショナルケアはあくまでセルフケアをフォローするものなので、口腔ケアのメインはやはりご家庭での歯磨きが中心となります。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 小林先生: 歯科医院のクリーニングでは、歯ブラシや歯磨き剤の選び方や患者さんごとに応じた磨き方のアドバイスもおこなっています。歯科医院で定期的にプロフェッショナルケアを受けることは、同時にセルフケアの質の向上につながることもぜひ知っていただければと思います。セルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアの両立で、お口の環境を整えていきましょう。