更年期女性が、パンツ一丁でぎっくり腰!温泉旅行でさらし者になって赤っ恥~。【突然、ぎっくり腰(急性腰痛症)になったときの正しい対処法は?】
「突然腰が痛くなり、その後も腰痛が続く」などの悩みはありませんか? 日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均値は52歳であるとされ、閉経前後の5年間が更年期と定義されています。 【 表 】更年期におすすめな11種類の漢方薬 更年期には、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。 更年期女性に多い悩みに「ぎっくり腰(急性腰痛症)」があります。 今回は、更年期の腰痛の改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
パンツ姿のまま……動けない!?
愛子さん(48歳)は、3連休に家族で久しぶりに温泉旅行へ行くことになりました。 「遠方まで出かけたので、3時間ほど車に揺られて座りっぱなし。それがいけなかったのか、温泉の脱衣所で服を脱ぐときに、突然、腰に異様な激痛が走ったんです」 なんと、そのまま動けなくなってしまったという愛子さん。 「上半身は肌着が半分だけ顔にかかったまま、下はパンツと靴下というひどい有様で……四つん這いになって痛みに耐えていました」 中学生の娘さんは、愛子さんを心配しつつも、恥ずかしさで真っ赤になってうつむいていたそうです。
まさかの「ぎっくり腰」で温泉旅行も台無し
その後、娘さんにサポートをしてもらって、愛子さんはなんとか服をきて部屋に戻ることができました。 「結局、せっかくの温泉にも入れずで……娘からは『旅行が台無しになった』『脱衣所でパンツ1枚で動けなくなるなんて最低』と文句をいわれっぱなしです」 娘さんから話を聞いたご主人と息子さんにも爆笑されて、さらに落ち込む愛子さん。 「なにもこんなときにぎっくり腰にならなくてもいいのに……自分の運のなさに嫌気がさしました」
更年期は突然のぎっくり腰に注意して!
【1】更年期にぎっくり腰がおこりやすい理由 ものを持ち上げたり、腰をひねったりしたときに、突然腰に痛みが生じて動けなくなる状態がぎっくり腰です。 医学的には「急性腰痛症」といいます。 更年期になると、女性ホルモンの急激な減少により、自律神経が不安定な状態になるため、血液循環が悪くなり、ぎっくり腰が起きやすくなると考えられています。 また、加齢による筋力の低下に加えて、女性ホルモンの減少は背骨や手足の関節を支える筋肉量の低下や関節の軟骨不足を引きおこし、更年期の腰痛の原因とされているのです。 【2】ぎっくり腰への対処法 以下のような、腰に急激な負荷がかかる姿勢や動きはぎっくり腰になりやすいので気をつけましょう。 ■前かがみの姿勢で重い荷物を急に持ち上げる ■ひざを曲げずに前かがみでものをひろう ■長時間、中腰の姿勢をとる ■くしゃみや咳で急に姿勢を変える ■ベッドからおき上がるときに、急に腰をひねる ■からだを強くひねる運動(ゴルフやテニスなど)をする また、ぎっくり腰になった直後は、痛みがひくまで安静にしてください。 ひざを曲げて横向きに寝る、横向きでひざを抱えるといったように腰に負担がかからない姿勢をとるとよいです。 痛みで動けず、すぐに横になれない場合は、四つん這いの姿勢で休んで様子をみましょう。 つづきの【後編】では、ぎっくり腰対策におすすめの漢方薬について伺いました。
あんしん漢方/薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 清水みゆき