ファッション業界の「 リセール 」が進化。主力事業より利益率が高いブランドも
テクノロジー導入とZ世代の購買行動
リセールECサイトとして17カ月前に稼働を開始したGoodwillFinds.com(グッドウィルファインズ)で最高マーケティング/顧客関係責任者を務めるジム・デイヴィス氏は、リセールサービスの提供に伴い、商品の真正性確認、画像撮影、1点もの商品の掲載などにかかるコストについて言及した。「人的作業のばらつき抑制に必要なテクノロジーを導入してプロセスを迅速化すれば、コスト効率のいい運営ができる」。 GoodwillFinds.comはグッドウィル・インダストリーズ(Goodwill Industries)との提携により同社の商品をオンライン販売するサイトで、AIツールを活用して取扱商品量を増やし、グッドウィルのパートナー14社が提供するリセール品22万5000点を掲載している。年末までにはパートナー40社と連携して50万点から60万点の取扱いを目指す計画で、デイヴィス氏によれば、今後6カ月から12カ月以内に、商品掲載プロセスが自動化され、「シームレスなエンジン」として機能する見込みだという。同サイトでは、掲載後30日以内の商品完売を目標に掲げている。 アーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)を含むさまざまな小売事業者との取引実績があるデイヴィス氏は、ブランド各社による直販リセールの黒字化は意外だという。とくにサードパーティ事業者が介在している場合は利益率が削られるためだ。GoodwillFinds.comの場合、取扱リセール品はパートナーの寄付によるもので、サイト運営者としてサブスクリプション料金および少額の商品販売手数料をパートナーから徴収している。 ブランド品リセールプログラムを成功に導いた要因として、Z世代の購買行動がある。また、リセールの認知度向上と規模拡大によりテクノロジーの導入が容易になったことも大きい。スレッドアップの2023年リセールレポート(2023 Resale Report)によると、Z世代が所有するワードローブは、平均で40%が中古品だという。昨年12月に発表されたレポート(Instagram Trend Talk)は、2024年に主流となるZ世代トレンドについて、「新しい服の購入を減らすこと」だと予想する。 「リセールの普及は、ブランドにとって脅威だ」とギティンス氏はいう。「それで、成長のためには中古品市場に進出しておく必要があるという判断に至ったのだろう」。