断熱等級6の140平米の家、断熱・気密にこだわり抜き、夏は暑さピーク時以外はエアコン要らず、空気清浄機も不要に 大阪府茨木市・Hさん宅【断熱新時代・住宅実例】
性能アップのオプション採用で「断熱等級6」を実現
「断熱や気密性能を体感するために、モデルハウスの宿泊体験も何度もトライしました。泊まってみると、いろいろな気づきもありましたね。たとえば全館空調のメリット、デメリットがわかったこと。男女の身体の構造の違いなのか、私と妻とでは快適と感じる温度が違っていることがわかり、マイホームには全館空調は採用しない、と判断しました」 様々な試行錯誤の結果、納得のいった地元の泉北ホームに住宅設計と建築を依頼。標準仕様でも充実したスペックを持ち、なおかつ設計の自由度が高く、コストパフォーマンスとのバランスの良さを感じたのが決め手だったそう。また、断熱・気密性能アップのために、オプション仕様のグレードアップも施している。
【断熱・気密性能への主なこだわりポイント】 ●玄関ドア ⇒ 天然木の内部に断熱パネルを持つ高断熱商品、ガラス部分をトリプルガラスタイプにグレードアップ ●窓サッシ ⇒ トリプルガラスの製品にグレードアップ。気密性能を考え「引き違い窓」を減らし、「縦すべり出し窓」もしくは「横すべり出し窓」をメインに ●屋根断熱材 ⇒ 断熱材の厚さをプラス ●換気扇 ⇒ 気密性を保てる同時給排気タイプに変更 などなど。
結果的には「断熱等級6」相当の性能を持つ住まいが完成。標準仕様と性能アップであれば2000万円台の建物であったが、設備や建材のオプションなどを採用することで、3000万円台前半の建築費用となっている。
玄関ホールとリビングの仕切りにはデザイン性の高いハイドア(H2500)を採用。断熱・気密性能が高いので、ドアは開けている時間も長いそうだ。
高断熱性能の快適さを、いちばん実感できるのは夏
断熱のこだわりが満載の住まい、実際の住み心地はどうなのだろう? 「冬と夏で比べると、より快適さを感じるのは夏ですね。外部からの熱がほとんど入ってこないので、1階はエアコン1台で充分快適です。最初の3年ほどはエアコンを24時間稼働させていましたが、いまは暑さがピークの時だけ稼働させています。すぐに快適な温度になるし、電気代の価格高騰の影響はあるとはいえ、以前の住まいから広さが倍になり、家電が圧倒的に増えたことを考えると、電気代が安いことに気づきました」 「もうひとつ、うれしいのは空気清浄機が要らなくなったこと。気密性能が高くなったので、花粉症の症状も大きく改善しました。たまに、なんだか鼻がムズムズするなと思ったら、妻が窓を開けていました(笑)」とHさん。 一方、冬場も快適で省エネの暮らしを実現できているようだ。 「各部屋の室温はスマホを使ってよくチェックしています。冬の日中は太陽光も差し込み暖めてくれるので、2階はエアコンを使わなくても17℃~20℃をキープしています。ふとんを出て寒い、と感じることがないですね」 妻にもお聞きした。 「賃貸マンションで暮らしていたときは、冬の寒さと結露のストレスがありましたが、それはまったくなくなりましたね。あっ、いま話していて気がつきましたが、モコモコの室内着を着なくなりましたね! 夫の花粉症対策も考えて2階の洗面・洗濯室にガス衣類乾燥機を設置して洗濯物は室内干しがメインに。洗濯物のベランダ干しがなくなって家事負担が減りました」とのこと。
【関連記事】
- 断熱等級6の120平米の家、夏冬エアコン1台稼働で「快適すぎる」。高気密で外気温の影響受けず、売電収入も 横浜市・Eさん家族【断熱新時代・住宅実例】
- 断熱等級6の100平米の家、電気代は夏でも月平均1万円以下で売電収入も! エアコン1台で「一年中春のよう」 東京都・Yさん夫妻【断熱新時代・住宅実例】
- 【断熱DIY】ホームセンター商品だけで賃貸の部屋も夏涼しく・冬暖かくできる! 原状回復OK、内窓・玄関ドア・床などをひと部屋4万円以下で
- 学校断熱ワークショップで教室の暑すぎ・寒すぎ問題が解消! 生徒がDIYで「勉強に集中できる」効果実感、電気使用量も70%減 エネルギーまちづくり社・竹内昌義さん
- 【学校の断熱最前線】ヤバすぎる暑さ・寒さの教室を断熱ワークショップ、生徒会が歴代で実施。ストーブ10分だけで教室中ずっと暖かく 長野県・上田染谷丘高校