排泄介助にイライラし声を荒げることも どうする?わだかまりのある親の介護
強い拒否感は当然だから
介護の現場で出会った人から「幸せになる方法」を教わった、と語る介護福祉士でイラストレーターの高橋恵子さん。今度はあなたに、イラストと言葉でメッセージを届けます。 【本編を読む】次のイラストは 「排泄介助に声を荒げてしまうのは、いつかの傷が暴れ出しそうになるから」
介護する人とされる人のあいだにある「わだかまり」こそ、 介護をつまずかせる要因になることは、 介護経験者であれば体感として、うなずいていただけるのではないでしょうか。 例えば、介護する人がどんなに 「介助のさいには、本人の意向を中心に」と 正論を聞かされても、 もし、強いわだかまりがあれば、 強い拒否感が湧いて当然です。 それは恥ずべきことではなく、 あくまでも人として自然な反応。 わだかまりがある相手の、 心の奥底からの肉声や、 弱る心身に触れていくとき、 穏やかでいられるほど、人は容易にできていません。 そして、そこにこそ家族介護の難しさがあるのです。 だからむしろ、そんな状況でありながらも、 介護が行われているひたむきな姿にこそ、 目を向けるべき可能性があると思わずにはいられません。 どんなに感情的な澱に、 はばまれたように感じられる介護であっても、 必ずや、昨日より今日、 その家々における、収まりどころが見えてくるものなのですから。 《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
高橋恵子