モノレールも途中で放置 地方政府の借金深刻化…中国「幽霊駅」の実態
日テレNEWS NNN
中国の経済低迷が続く中、4日、開かれる会議で景気刺激策が議論される見通しです。焦点は地方政府が長年の無駄遣いで溜め込んだ借金。その象徴の一つ「幽霊駅」の実態を取材しました。 【画像】<独自>中国・人権派元弁護士、釈放の瞬間を捉える 警察侮辱で拘束
中国・江蘇省の省都、南京市。田畑が広がる中、姿を現したのは、巨大な「駅」です。 NNN南京・渡辺容代 「13年前に完成したものの、使われていない駅になります。非常に大きい駅舎なんですが、周辺は草が生えていて、使われている様子はないですね」 2011年に完成したこの駅。利用者数が見込めず、開業すると赤字になる恐れがあるため、1度も使われないまま、鉄道会社が運用を断念したというのです。
建物の中を見てみると― NNN南京・渡辺容代 「こちら本格的なトレーニング器具が置いてあります」 トレーニングマシンやビリヤード台、洗濯物も干してありました。 さらに― NNN南京・渡辺容代 「ニワトリですね。ニワトリが飼われています」 駅の警備員によると、信号の操作などのため職員が駐在していて、維持費なども発生しているというのです。 鉄道会社によると、開業の見通しは立っていないといいます。 中国全土に張り巡らされた高速鉄道。総延長は4万6000キロに上り、去年だけでも日本の新幹線の総延長に匹敵する2776キロが延伸されました。 駅を誘致すれば、周辺の開発が進むとの期待から、地方政府が採算を度外視して開発を進め、完成した駅が短期間で閉鎖されたり、使われずに放置されたりするケースが続出。 こうした駅は“幽霊駅”とも呼ばれ、中国メディアによると、その数は少なくとも26か所にのぼるといいます。
南京市内の別の“幽霊駅”周辺では、テナントの撤退が目立ちます 南京市民 「(駅が)開業するからここに店を構えたんです。すごい失望してます」 南京市民 「たくさん資源を使って、必要ない」 インフラ工事が中断に追い込まれるケースもありました。 広西チワン族自治区で8年前に着工したモノレールです。全長70キロにわたる計画でしたが、地元政府の資金繰りが悪化し、工事が途中で放置されています。