実は今日本にいない「在日中国人」が増えていた…「経営・管理ビザ」悪用する中国人たち
ビザを取るだけの「隠れ移住者」
中国の景気が減速し、社会が不安定化する中、「日本に移住したい」という中国人富裕層が増えている。 【写真】<白タク><大量転売>中国人の「闇バイト」が止まらない! 彼らの多くは経営・管理ビザ(在留資格)を得て来日しているが、先日、中国人の在留資格に詳しいある専門家に話を聞いたところ、「日本のビザを取るだけ取って、実際は日本にあまり住んでいない『隠れ移住者』がかなり多い」という話を教えてもらった。 その専門家が最近知り合った富裕層は、内陸部の都市で不動産業や他の事業を手広く行っていた40代の経営者の男性。「中国ではもう儲からないから、日本で儲けたい」「いま持っている資産を日本に移して、日本の資産(不動産)に変えておきたい」「政府の締めつけが強くて息が詰まる」などの理由で、日本の経営・管理ビザを取得することにしたという。 経営・管理ビザとは「外国人が日本で貿易などの事業を行い、その管理に従事するための在留資格」のこと。500万円以上の出資や事業所の確保などが求められる。在留できる期間は、3カ月(または4カ月)、6カ月、1年、3年、5年の5種類あり、2023年には約1万9000人の中国人が取得している。 その専門家によると、最近では、最初から1年の経営・管理ビザを取得できることが多く、人気が高いという。このビザがあり、1年間きちんと事業さえ行えば、出入国は自由だ。いったん取得してしまえば、日本に1年間のうち何日間以上住まなければならない、などの条件はなく、取得後、すぐに中国に帰って仕事をしたり、第三国に移動したりするケースもよくあるという。 留学生ビザや、ホワイトカラーが取得することが多い技術・人文知識・国際業務ビザは、日本で勉強したり、企業に勤務したりするための在留資格なので、当然、日本に滞在し続けることが求められるが、経営・管理ビザの場合はそういった縛りはない。 また、家族も帯同できるので、一緒に取得することが多いが、日本の経営・管理ビザで来日しているのに、子どもはシンガポールのインターナショナルスクールに通い、妻もそれに付き添ってシンガポールに行き、自分はアメリカで仕事をしている、などのケースもあるそうだ。