ロ潜水艦がフィリピンEEZに、マルコス大統領「憂慮」
[マニラ 2日 ロイター] - フィリピンのマルコス大統領は2日、南シナ海のフィリピンの排他的経済水域(EEZ)でロシアの潜水艦が確認されたことについて「非常に憂慮すべきだ」と述べた。 フィリピンの有力日刊紙インクワイアラーは2日、治安筋の話として、ロシアの攻撃型潜水艦が先週、フィリピンのEEZ内で浮上したと伝えた。 マルコス氏は「非常に懸念すべきだ。西フィリピン海、わが国のEEZ、わが国の基線へのいかなる侵入も非常に憂慮すべきだ」と記者団に述べた。 フィリピン海軍報道官は、11月28日に西ミンドロ州沖80カイリでロシアのキロ級潜水艦を確認したと述べ、インクワイアラー紙の報道を確認した。 報道官によると、フィリピン海軍のフリゲート艦が、ロシア潜水艦と無線交信を行い、その潜水艦がUFA490と確認した。フィリピンのEEZにいる理由を聞いたところ、「ロシアのウラジオストクに向かうために、天候の回復を待っている」と説明したという。フィリピン海軍は、海事規則を遵守し潜水艦をエスコートしたとしている。 在マニラのロシア大使館のコメントも得られていない。 キロ級潜水艦は、1980年代から改良を重ね、有数の速度を持ち、静音性に優れているとされる。 ロシアのプーチン大統領が2022年、ウクライナ侵攻直前に北京を訪問した際、中ロは「無制限」のパートナーシップを宣言した。今年7月には南シナ海で海軍の実弾演習を実施した。 フィリピンは南シナ海の領有権を巡り過去1年で中国との緊張が高まっている。