【英国】EV購入助成を政府に要求 英自動車業界、需要低迷で懸念
英国の自動車製造取引業者協会(SMMT)などは4日、英政府に対して、電気自動車(EV)購入を促進するための助成制度を導入するよう求める書簡を公開した。英国では今年、乗用車販売台数のうちゼロエミッション車(ZEV)の占める割合を少なくとも22%にすることが義務付けられているが、EV需要の低迷で間に合わない可能性が出ているためだ。 リーブス財務相に宛てられた書簡にはSMMTのほか自動車メーカー各社も名を連ねている。SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は、今年は業界全体で20億ポンドに及ぶ値引きキャンペーンを実施しているとした上で、「それでも目標を達成できない可能性が高い。多くのメーカーが他社からクレジットを購入するか、法外なコンプライアンス料を支払うかのどちらかを迫られるだろう」と懸念を示した。 購入のインセンティブとして、個人の新規EV購入にかかる税金を3年間半減し、公共充電に対する付加価値税(VAT)も軽減するよう政府に呼びかけた。税制優遇がすでに導入されている商用車部門では販売数の増加がみられることから、個人客に向けても同様の対応を求めている。 英政府は2035年までに新車販売全てをZEVにする目標を掲げている。今年はメーカーに対し、乗用車販売の22%、商用車の10%をZEVとすることを義務化しており、違反には乗用車1台当たり1万5,000ポンド、商用車で9,000ポンドの罰金を科す。段階的に販売目標を引き上げ、30年には乗用車で80%、商用車で70%とする。[環境ニュース]