横浜中華街の賢者おすすめ 進化系麻婆豆腐【3選】 豆乳から作る出来立て豆腐、“白くて辛い”逸品も登場!
◆華正樓 新館の、上海風の甘旨辛い「麻婆豆腐」
神奈川県民に根強く愛されている「華正樓」は、昭和14年創業の老舗。高級店ですが、新館ではアラカルトで気軽に名店の味を楽しむこともできます。 「全国的にも非常に珍しい、上海スタイルの麻婆豆腐が味わえます。花椒などの辛さはありながら、上海料理ならではの“甘み”を感じるのがユニーク」と語る「ホテルニューグランド」副総支配人・谷口さん。 豆腐の水分を抜くために、しっかり豆腐を煮込んで味を含ませ、仕上げに砂糖を加えるという独自のレシピ。煮汁は脂っこさを感じさせない軽やかなサラサラ系で、粗挽きの豚肉をかみしればピリッとした辛さの後に甘い余韻が広がる他にはない味わいです。あえて辛さに甘みをぶつけるという、老舗の挑戦と矜持を感じる一品に仕上がっています。 辛いものが好き! という人は辛さの度合いを調節してくれるので、スタッフに相談してみて。 「以前に華正樓で腕を振るっていた敏腕シェフが戻ってきて、2023年より調理部長に就任しました。細部まで料理を見直し、本来の華正樓の味に戻したようなので、今後もこちらの店から目が離せません」(谷口氏) 華正樓 新館(カセイロウ シンカン) 所在地 神奈川県横浜市山下町164 電話番号 045-661-0662 営業時間 11:30~最終受付20:45(L.O.21:15) 定休日 無休、年末年始 アクセス みなとみらい線元町・中華街駅より徒歩3分 ●教えてくれたのは…… 「ホテルニューグランド」副総支配人・谷口謙一郎 東京都生まれ。「帝国ホテル」「ウェスティンホテル東京」などで、マーケティング・広報などを歴任。現在は横浜のクラシックホテル「ホテルニューグランド」で副総支配人を務める。無類の中華料理好きで、特に「ウェスティンホテル東京」時代はホテル内のレストラン「龍天門」から続々とヒットメニューを提案。現在は都内から横浜に通勤しながら、横浜中華街のみならず、市内の中華料理店のパトロールに余念がない。 食いしん坊・公務員X 愛媛県生まれ。暮らしも仕事もすべてが横浜駅~横浜中華街付近の50代前半公務員。持ち前の食いしん坊&調べ尽くさずにはいられない気質から、中華街全域の調査にも余念がなく、その粘り強い姿勢を「横浜(ハマ)の中華街刑事(デカ)」と呼ぶ者も。精緻で豊富な知識は、都内の食通から情報を求められるほど。ときには「とんかつ」「デパ地下」「アニサキス」などを追っている。 ライター・嶺月香里 東京都生まれ。横浜中華街の1年を通した連載を手がけるなど、中華街を取材し続けて10年以上。老舗の名物はもちろん新店にも積極的に足を運び、中華街の深淵を日々探索中。酒と肴と動物性たんぱく質が主食で、ウナギが大好き。CREA WEBで「教えて! ウナギ大好き、ウ大臣」のコラムをあげている。食以外では「温泉」と「恐竜・鉱物」がライフワーク。
嶺月 香里