【パリオリンピック】やりたいバスケを体現し続けるも『絶対女王』の壁を越えられなかった女子日本代表、アメリカに26点差の敗戦
純粋な高さに加え、連動したアメリカのチームオフェンスを止められず
バスケットボール女子日本代表がパリオリンピックの予選リーグ初戦でアメリカ代表と対戦した。 日本の先発は宮崎早織、山本麻衣、林咲希、馬瓜エブリン、馬瓜ステファニーの5人。日本は生命線であるボールマンプレッシャーをかけることでアメリカから連続でターンオーバーを誘発することに成功するが、インサイドにボールを入れられて簡単に失点し、さらにブロックショットから連続で走られるなど一時2桁のビハインドを背負った。さらに高さの不利を覆せず、セカンドチャンスポイントも許し劣勢が続いたが、赤穂ひまわり、さらに林がトランジションスリーを成功させて食らいつき、15-22で第1クォーターを終えた。 日本は山本の3ポイントシュート成功で第2クォーターをスタートしたが、その後長距離砲が決まらずにディフェンスリバウンドを確保されると、高さを生かした速攻を連続で繰り出され、さらにタフなミドルシュートも決められてしまい開始2分半で12点のビハインドを背負った。 その後もゴール下にパスを入れて高さを強調するのではなく、連動したチームバスケットを展開するアメリカのオフェンスをなかなか止められないが、日本は愚直に『走り勝つシューター軍団』のコンセプトを体現し、食らいついていく。宮崎のキックアウトから髙田真希が3ポイントシュートを射抜けば、林がトランジションスリーを決める。3ポイントシュートを警戒するアメリカの隙を突き、宮崎がフローターやレイアップを成功させた。質の高いアメリカのオフェンスに苦戦し、オフェンスリバウンドも4-10と離されたものの、23本中9本の3ポイントシュートを成功(39%)させて、39-50で前半を終えた。 後半に入っても、前半に17得点を許したエイジャ・ウィルソン、13得点を許したブリアナ・スチュワートら2人のアタックをどうしても止められない。トリプルチャンスから山本が3ポイントシュートを射抜くビッグプレーも飛び出したが、直後に3点プレーを許すなど流れを持ってこれず、残り3分18秒にはセカンドチャンスポイントを与えてしまい、ビハインドは20の大台に乗った。アウトサイドシュートを警戒される中で髙田がインサイドで連続でスコアするも、戦況は変わらず57-79で最終クォーターに突入した。 日本はその後もダブルチームを仕掛けてボールマンプレッシャーを強めるが、焦らないアメリカに数的有利を作られて、インサイドアウトから3ポイントシュートを決められてしまうなど打開策が見つからない。守り切れないことで速攻を繰り出せず、重たいハーフコートオフェンスが続いてしまった。第3クォーターと同様に髙田が気を吐いたが、最後まで流れを持ってくることができずに、76-102で敗れた。 髙田がチームハイの24得点を挙げ、山本が17得点、宮崎が12得点で続いた。3ポイントシュートは39本中15本の成功(38%)と目標値に近い数字を記録したが、オフェンスリバウンドで9-19、ブロックショットで0-11と大きく水をあけられたように、高さの不利を覆せなかった。
丸山素行