「中国ビザ免除」再開で現地駐在員は虎視眈々…”本番アリ”の店で接待も!”本帰国直訴”の修羅場と化す、ヤバすぎる「出張アテンド」現場
新型コロナウイルス禍によって免除措置が停止した2020年3月以来、4年8ヵ月ぶりに、日本人に対する中国短期滞在ビザの免除措置が再開された。 【写真】ゲッ、中国の公安がやってきた…!ナイトライフ満喫中を襲った衝撃現場 この措置について、現地ではどう受け止められているのか。前編記事『いったいなぜ…無差別殺傷事件が相次ぐ中国が、日本人の「短期滞在ビザ」免除措置を再開したワケ』に続き、詳報する。
出張者アテンド用「黒革の手帖」が復活
日本企業の駐在員の頂点に立つであろう駐在員のエピソードを紹介する。 某自動車完成車メーカーの次期本社社長(当時)に内定していた人物が中国現法を訪れたときのこと。地元の日本料理店を借り切っての盛大な歓迎会が行われた。 現法総経理が総勢40人以上の駐在員の意を汲み、「中国における大型連休期間中の海外旅行を、福利厚生名目での出張扱いにしてくれないか?」と半分本気半分冗談で直訴した。次期社長の「私の責任で対応します」という返答に、「うおおっ~」と歓声が上がった。 つづけて「ずっと中国はつらいですからね。家族帯同も歓迎します。ただし“自前の奥さん”は経費申請の適用外です」と次期社長。言わずもがな“自前の奥さん”とは現地の中国人彼女のこと。会場が爆笑の渦に包まれたことは言うまでもない。 日本企業の駐在員にとって、本社の上司は神であり、アテンド対応は重要な仕事ある。とくに直属上司や同じ部門の出世頭である場合、その対応が海外現法全体の評価に影響するため、過剰な配慮が行われる傾向がある。 現法の規模が大きれば大きいほど、アテンド対応専門のベテラン駐在員が重宝がられ、「1年の3分の2が、現地美食ツアー」で埋まるのも珍しくない。 ある大手物流会社では、出張者のランクと親密度によって、アテンド内容がアレンジされ、その手応えで毎回アップデートされていくのが常だった。 そのアテンドマニュアルの、微に入り細に入り度合いは、想像を超えていた。
ハニトラなど「どこ吹く風」
例えば、〈X(有名レストランの店名)の海鮮NG。下痢を起こしやすい〉に始まり、〈Y(日式カラオケ)は避ける。ママはVIP(顧客)の彼女〉、〈Z(中式カラオケ/KTV)は厳打(取締強化)期間OK。事前連絡要〉まで。松本清張の小説『黒革の手帖』ばりの生々しさである。 中国のナイトライフは充実している。5年近く“お預け”をくらった側にとって、ハニトラなどどこ吹く風なのかもしれない。ガールズバーや日式カラオケ、KTV、スナック、ローカルサウナ、高級サウナ、クラブ、SPA…。 このうち、日式カラオケとKTVはいずれもカラオケ&ホステス付きの店だが、後者は中式と呼ばれ、多くの場合“店外デート”ができる。同じようにサウナでも、ローカルや高級店はSPAと違って、“本番”が前提であるケースが多い。 そこで中国ビザ免除再開を機に、日本人駐在員に代々受け継がれた「黒革の手帖」の出番というわけだ。